スマートスピーカーの普及で、これまで以上にスマートホームに注目が集まっています。そのスマートホームの世界において、まさに入口となるIoTデバイスがスマートロックです。
もしかすると、あなたはスマートロックを導入するかどうかで悩んでいるのではないでしょうか。
やはり購入までには、スマートロックの使用感が自分の生活スタイルに合うのか、本当に便利さを感じられるか、といったメリットは気になるポイントですよね。
また、メリットだけでなくデメリットや注意点も合わせて把握しておきたいところです。
本記事では、スマートロックのメリットと合わせてデメリットや注意点も一緒に解説していきます。
目次
スマートロックとは?
そもそも、スマートロックとはどのようなIoTデバイスなのでしょうか。
スマートロックとは、今ある玄関のカギの上から設置することで、あらかじめ連携したスマホから簡単にカギの施錠・解錠が操作できるIoTデバイスです。
スマホとの連携は、Bluetoothでスマートロックと直接接続するか、スマートロックを家のWiFiと連携しておいてインターネット回線を経由して行います。
スマートロックに搭載される機能は、メーカーやモデルによってさまざまです。
いわゆるオートロック機能はもちろんながら、セキュリティに関連した機能が盛り込まれています。特に、施錠・解錠方法については、スマホでの操作だけでも複数ありますし、スマホ以外のデバイスでの操作もできるモデルもあります。
スマートロックの5つのメリット
具体的にスマートロックを導入することによるメリットは、大きく次の5つあります。
- 簡単な取り付けで賃貸をオートロックにできる
- ハンズフリーで解錠できて便利
- 外出先でもカギの確認・操作ができる
- 時限キーで親戚や友人とカギをシェア
- 安価に導入できる
簡単な取り付けで賃貸でもオートロックにできる
スマートロックを導入すれば、オートロック未対応の賃貸物件に入居していても、後からオートロックにすることができます。
普通、賃貸でオートロックを利用したいのであれば、最初からオートロック付きの賃貸物件を選ばなければなりません。とはいえ、オートロック対応物件となれば家賃も高くなりますし、そのためだけに引っ越すのは現実的じゃないでしょう。
そこで、後付けが可能で取り付けも簡単なスマートロックの出番というわけです。
オートロック機能を備えたスマートロックを後付けすれば、賃貸物件に入居後でもオートロックを利用できるようになります。
スマートロックの設置方法は、大きく2種類あります。
設置方法 | 詳細 |
---|---|
接着タイプ | サムターンにかぶせるようにしてスマートロックを設置する。ドアとの固定は両面テープで行う。 |
取替えタイプ | ドア内部の箱錠といわれるカギやドアノブ自体をそのまま交換するタイプ。 |
いずれの設置方法でも、穴を開けたりドアを加工する必要はありません。
退去時にはスマートロックを取り外せば元通りに戻るので、賃貸物件でも安心して導入できます。
ハンズフリーで解錠できて便利
ハンズフリーとは、スマートロックの施錠・解錠方法の1つで、連携したスマホを持って玄関に近づくと自動で解錠をしてくれる便利機能です。
家の周囲の一定範囲内に連携したスマホが入ってくると、スマートロックがBluetoothで検知をして、自動解錠する仕組みになっています。
スマートロックがハンズフリーで施錠・解錠してくれると、わざわざカギを取り出す必要がなくなるので、荷物で両手がふさがっているときに便利でしょう。
また、物理的なカギを持ち歩く必要もなくなりますので、カギを紛失してしまう不安からも開放されます。スマホだけを持って出かけられるので、荷物も減って嬉しいですね。
ハンズフリー機能が備わっているスマートロックは、基本的にオートロック機能もあるので家から離れると自動的に施錠してくれます。
外出先でもカギの確認・操作ができる
スマートロックを導入すると、スマホの専用アプリで施錠・解錠の状態確認と操作ができるようになります。
つまり、外出後にカギを閉めたか心配になっても、手元にスマホさえあれば外出先からアプリで確認して施錠操作が可能なので、非常に安心・便利です。
また、アプリで誰がいつ施錠・解錠したかの履歴を把握できるため、不審な挙動がないかもチェックできます。
施錠・解錠方法としては、スマホ操作やハンズフリーに加えて、カードキーやタグキーなどの物理的なカギ、テンキーでの暗証番号入力なども用意されている場合があります。
今発売されているほとんどのスマートロックは、これらの施錠・解錠方法をマルチに使えるものが一般的です。スマホを持っていない子どもでも、カードキーを渡しておけば問題ありません。
時限キーで親戚や友人とカギをシェア
スマートロックの面白い機能の1つとして、時限キーのシェア機能が挙げられます。
時限キーとは、ある時間帯・特定の人に限定して発行するスマートロックの電子的な合カギのことです。
スマートロックのオーナーが時限キーをゲストにメールやSNSでシェアすると、認証URLや認証コードからゲストのスマホでも解錠できるようになります。
親戚の集まりやホームパーティなど、ゲストの出入りが激しくなるときなどには、非常に活躍してくれるでしょう。
物理的な合カギを渡すのはハードルが高いですが、電子キーなら簡単にシェアできますし、時間が過ぎれば使えなくなるので安心です。
安価に導入できる
スマートロックの価格相場は、メーカーにもよりますが1万円~5万円程度と比較的に安価に導入が可能です。
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一概には言えませんが、オートロック付き物件の家賃がオートロックなしの物件より月数千円高いと考えると、スマートロックを1年使えば十分に元が取れるでしょう。
しかも、価格が1万円台のモデルであっても、上記で挙げたメリットをほぼすべて実現できるスペックを持っているので驚きです。
また、AmazonなどWebサイトで販売されているので購入も手軽にできます。
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スマートロックのデメリットと注意点
上記で挙げたようにさまざまなメリットのあるスマートロックですが、人によってはデメリットに感じるポイントもあるでしょう。
また、設置や使用における注意点もあります。
購入前には、以下の3点については必ず確認するようにしましょう。
- ドアやサムターン形状によっては設置できない
- 設置や初期設定はセルフ&自己責任
- 電池切れで締め出されるかも
ドアやサムターンのタイプによっては設置できない
スマートロックは、ドアやサムターンのタイプによっては設置できない場合があるので注意しなければなりません。スマートロックの設計は、一般的なドアやサムターンを基準としています。
そのため、特殊なドアやサムターンだと形状や寸法の問題で設置が難しくなります。
特に、以下のポイントは要チェックです。
- ドア面の形状
- ドアノブの形状
- サムターンの形状
- サムターンの機構
- ドアノブとサムターン間の寸法
- ドア枠とサムターン間の寸法
ほとんどのスマートロックメーカーは、公式サイトに対応のドアやサムターンなど設置条件を掲載しています。
あらかじめ設置条件を確認したうえで、ご自宅のドアに適合するスマートロックを選択しましょう。
設置や初期設定はセルフ&自己責任
スマートロックは、基本的には購入から設置、そして設定と利用できる状態まで持っていく一連の作業を、セルフで行う必要があります。
とはいえ、注意が必要なのは設置方法だけでしょう。
購入に関しては、ほとんどのメーカーがAmazonなどのECサイトに出品しているので、非常に手軽です。初期設定に関しても、専用アプリに表示されるガイダンスに従って進めるだけなので、ほとんどトラブルなく設定できます。
設置方法が取替えタイプの場合、今の玄関の箱錠やドアノブをドライバーで外して、スマートロックに入れ替えなければなりません。
特別な工具は使用しませんが、複数の部品を組み合わさっているスマートロックもあるので、設置が簡単とは言えません。
一方の接着タイプは、サムターンの上からかぶせて両面テープの貼り付けだけで設置が済むため、工具も使わず非常に簡単です。そのため、できれば設置方法が接着タイプのスマートロックを選ぶのをオススメします。
設置や初期設定がセルフなのは、逆に考えると工事業者に依頼する必要がなく、より安価かつ手軽にスマートロックを導入できるとも言えます。
また、設置や初期設定でトラブルが発生した場合は、メーカーへ直接問い合わせて自己解決しなければならない点も頭に入れておきましょう。
電池切れで締め出されるかも
スマートロックの最大のデメリットと言えるのが、電池切れによる動作停止です。
現在販売されているスマートロックのほとんどが、電源ケーブルを引いてくる必要がないように電池駆動となっています。
設置が簡易的になって見た目もスッキリするのは嬉しいポイントですが、どうしても電池切れのリスクがつきまといます。
定期的に電池交換をする手間もありますし、なによりスマートロックが電池切れになるともちろんのことながらカギを開けられません。つまり、家の中に入れず締め出しを食らう羽目になります。とはいえ、スマートロックメーカーも電池切れのリスクは十分に承知しています。
スマートロックによっては電池切れ時の緊急対応機能を備えているモデルもあります。
スマートロックの電池切れ対策は、主に以下の3種類の機能があります。
- 電池残量の低下をスマホアプリなどで通知
- ドアノブの形状
- 電池切れでも通常のカギを利用可能
スマートロックによっては、上記の機能を複数搭載しているものもあります。
購入を検討する際は、もしものときの対応を考えて、電池切れ対策機能が十分なモデルを選んだほうが良いかもしれません。
外出先からの操作はインターネット回線が必要
スマホアプリで、外出先からスマートロックの施錠・解錠を確認したり操作したりするためには、インターネット回線が必要となります。
すでにインターネット回線があれば問題ありませんが、ない場合は新たに契約しなければなりません。月々数千円ほどランニングコストがかかるので、スマートロックのためだけに用意するのは少しもったいない気がします。
そういった場合の1つの選択肢として、外出先からの操作は必要ないと割り切るのもアリでしょう。
スマートロックをインターネット回線と接続しなくても、オートロック機能はもちろんハンズフリーやカードキーなどを用いた施錠・解錠など、基本的な機能は利用可能です。
これだけでも、普段使いでは十分なメリットになりますので、無理せず自分の利用する生活スタイルに合わせて、機能を取捨選択しましょう。
スマートロックはデメリット以上のメリットあり
スマートロックは、今ある玄関のカギを手軽かつ安価にスマート化してくれるIoTデバイスです。
導入することで、ハンズフリーやオートロック、時限キーのシェア機能などさまざまなメリットが得られます。
しかし、ドア形状などがスマートロックの設置条件に合わなければ設置できませんし、対応していたとしても設置や初期設定は自分で行う必要があります。
ただ、接着タイプのスマートロックなら、今のサムターンの上からかぶせて設置するだけなので、設置のハードルはそこまで高くはないでしょう。あとは定期的な電池交換さえ行っていれば、スマートロックのメリットを最大限に発揮できるはずです。
スマートロックを導入して、スマートホームの世界に一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。