スマートプラグは安価にスマートホームを体感できるIoTデバイス

スマートプラグ スマートホーム

みなさんは、自宅をスマートホーム化する方法と言われて、どんなものを思い浮かべるでしょうか。近年では数多くのメーカーから、スマートホーム関連のさまざまなデバイスやサービスがリリースされています。

多くの方は、ここ数年でポピュラーになったスマートスピーカーを、そして少し詳しい方なら家電リモコンを挙げるかもしれません。ただ、スマートスピーカーや家電リモコンは、価格面で導入に踏み切れていない方もいるでしょう。
そんな方にオススメしたいのが、スマートプラグです。

本記事では、安価にスマートホームを体感できるスマートプラグについて紹介していきます。

スマートプラグとは

スマートプラグとは、どのようにスマートホームを実現するIoTデバイスなのでしょうか。近い機能を持っているデバイスとも比較しながら、その使い勝手を確認していきます。

スマートプラグは家電製品をスマホでオンオフできる

スマホでオンオフできる

スマートプラグとは、テレビやエアコンなどの家電製品をスマホでオンオフ操作できるデバイスのことをいいます。使い方はシンプルで、家電製品のコンセントプラグとコンセント差込口の間に、スマートプラグを挟み込むだけです。

仕組みも非常に簡単で、コンセントからの給電をスマートプラグがオンオフ制御することで、家電製品の運転を操作しています。いわゆるコンセントタップのスイッチを、スマホから操作するイメージが近いでしょう。

ソファでスマホをいじっているときでも、気軽にスマホから家電製品を操作できるので便利です。

「エアコン切りたいけどソファから動くのが面倒」
「テレビのリモコンはどこにいったんだろう」

こんな、リモコンを取ったり探したりする、といったちょっとした手間も省けます。

スマートプラグで操作できる家電製品

スマートプラグで操作できる家電製品

スマートプラグは、自宅で利用している家電製品のほとんどが操作可能です。
たとえば、次のようなものが挙げられます。

スマートプラグで操作できる家電製品
  1. エアコン
  2. 空気清浄機
  3. 加湿器
  4. 扇風機
  5. 電気カーペット
  6. こたつ
  7. スタンドライト

条件は、コンセントに差し込んで利用する家電製品ということになるので、対応範囲は非常に広いです。

スマートプラグに向かない家電製品

対応範囲が広いとはいえ、スマートプラグにも向かないものや、注意が必要な家電製品もあります。

スマートプラグに向かない家電製品
  1. 据え付けの照明や換気扇
  2. リモコン操作タイプの扇風機
  3. 電気カーペットやスタンドライト

据え付けの照明や換気扇など、コンセントに差し込まない家電製品は、当たり前ですがスマートプラグでの操作に対応していません。シーリングライトや、お風呂・キッチンの換気扇は操作できません。

また、リモコン操作のみの扇風機はスマートプラグに対応しているものの、実際には利用できるとは言い難いです。扇風機の電源はオンになるものの、前回の運転状態や設定を記憶していません。

そのため、実際に羽を回して送風してもらうためには、結局のところリモコン操作が追加で必要となっていまいます。つまりは、スマートプラグを利用する意味がありません。

アナログスイッチなど、前回の運転状態を電源オンで再現できる、もしくは設定を記憶している扇風機ならOKです。

このほか、電気カーペットやスタンドライトなどの高温になる家電製品は、思いがけず火事につながる可能性もあるため使用時に注意が必要でしょう。後述する、遠隔操作での利用は避けるのが賢明です。

家電リモコンより安価で対応家電が多い

家電リモコンより安価
スマートプラグに似た機能を持つIoTデバイスに、「家電リモコン」があります。スマートプラグは、この家電リモコンで操作できない家電であってもスマホ操作がOKです。

家電リモコンも、家電製品のスマホ操作を可能にしてくれます。ただ、さまざまな家電製品の赤外線リモコンを集約できる機能を持つため、スマートプラグとできることが若干異なります。

たとえば、オンオフだけでなくエアコンの温度・風量調整、テレビなら音量調整・チャンネル切り替えなど、多くの操作に対応可能です。その代わりに、家電リモコンへ対応した家電製品、つまり赤外線リモコンを使う家電製品に利用が限られます。
一方のスマートプラグは、単純に電源のオンオフしかできないものの、赤外線リモコンを利用しない家電製品でもプラグインタイプなら利用OKです。

また、家電リモコンは赤外線の届く範囲に設置するよう配慮する必要がありますが、スマートプラグはコンセントに挿すだけなので、そのような心配もありません。価格も、家電リモコンが1万円~であるところに比べて、スマートプラグは数千円ほどと安価です。

実現したいスマートホームとお財布事情から、どちらにするか決めるのが良いでしょう。
基本的には、手軽にスマートホームを始めたい人にはスマートプラグを、細かい操作まで行いたい人には家電リモコンをオススメします。

スマートプラグでできること5選

スマートプラグを導入して家電製品のスマホ操作ができようになると、こんな生活シーンで役立ってくれることでしょう。

スマートプラグでできること5選
  1. 遠隔操作で帰宅前に快適なお部屋へ
  2. 外出後の切り忘れ不安を解消
  3. スケジュール設定で自動化
  4. スマートスピーカー連携で音声操作
  5. IFTTTで自分好みのカスタマイズ

スマートプラグが実現するスマートホームの一部を、具体的な日常生活のワンシーンに当てはめながら紹介していきます。

遠隔操作で帰宅前に快適なお部屋へ

遠隔操作で帰宅前に快適なお部屋へ

スマートプラグの最大のメリットは、スマホアプリから遠隔で家電製品を操作できることです。手元にスマホさえあれば、外出先からいつでも家電製品のオンオフを切り替えられます。

たとえば、会社から帰宅するシーンなら、最寄り駅へ着いたタイミングであらかじめエアコンを遠隔操作でオン。寒さの厳しい冬のシーズンでも、自宅に着くころには部屋が温まっているのでとても快適です。

また、一人暮らしの方が照明のついていない暗い部屋へ帰宅するシーン。そんなときでもスマートプラグがあれば、電気のスイッチを探す手間や、暗い部屋に帰るあの寂しい気持ちをいくらか軽減してくれるでしょう。

外出後の切り忘れ不安を解消

スマートプラグは、家電製品の遠隔操作に加えて、スマホアプリで運転状態をリアルタイムに確認もできます。外出後によくある、ふとエアコンや照明の切り忘れに不安を感じるシーンでも、スマホアプリでオフになっているか確認できるので安心です。

もし仮に切り忘れていたとしても、スマホアプリでオフにすればよいだけなので、わざわざ自宅まで戻る必要もありません。
また、運転状態の確認を活用すれば、簡易的な家族の見守りとしても活躍してくれます。

たとえば、共働きの家庭で先にお子さんが帰宅、自宅で留守番して待っているシーンです。無事に帰宅しているのか、留守中になにか異変がないかと不安になる親御さんは多いでしょう。スマートプラグがあれば、テレビやエアコン、勉強机のスタンドライトの運転動作をスマホアプリで確認できます。帰宅の無事や在宅を、家電製品の動作から確認するといった使い方もできるのです。

遠隔での操作・運転状態の確認ともに、インターネット環境への接続が必要となります。

スケジュール設定で自動化

スマホアプリのスケジュール設定による自動化も、スマートプラグの非常に便利な使い方の1つです。スケジュール設定では、時間の指定はもちろんですが曜日の設定もOKなので、利用者の生活スタイルに合わせて自動制御を最適化できます。

イメージしやすいところでは、朝の目覚めのタイミングが挙げられます。起床時間に合わせて平日は早めに、土日は遅めにエアコンをオンにするといった具合で自動化できれば、「寒くていつまでも布団から出られない」という悩みから開放されることでしょう。
また、寝起きのタイミングでわざわざスマホアプリを操作するのも面倒なので、嬉しい使い方ですよね。

まさに、スマートホームを肌で感じることができる体験になるでしょう。このほか、スケジュール設定とは関係なく、スマホアプリからの操作ももちろんできます。

普段のスケジュール設定と少し変わる日があっても、スマホアプリでオンオフを戻してあげるだけでOKです。

スマートスピーカー連携で音声操作

スマートスピーカー連携
スマートプラグは、Google HomeやAmazon Echoなどの代表的なスマートスピーカーと連携しているモデルがほとんどです。そのため、対応のスマートプラグを使っていれば、スマートスピーカーに話しかけるだけで家電製品を操作できるようになります。「OK Google、エアコンつけて」で、エアコンがオンになるわけです。

リモコンもスマホも使わずに、言葉だけで家電製品を操作できるなんて、これこそスマートホームを実感できるズバリな体験といえます。

IFTTTで自分好みのカスタマイズ

スマートプラグにはこれだけいろいろな使い方がありますが、より自分好みのカスタマイズを楽しめるのが、IFTTTというWebサービスです。IFTTTとは、サービス同士を連携して、片方のサービスの状態変化をトリガーとして、もう一方のサービスへ命令できるプラットフォームのことで、スマートプラグも連携しています。このIFTTT対応サービスが非常に多岐にわたっているため、その組み合わせによって自由度は無限大です。

たとえば、スマホのGPSサービスとスマートプラグを連携すれば、自宅に近づいたことをトリガーに、自動でエアコンやテレビをオンにするといった使い方が可能です。もちろん、逆に自宅から離れたら自動でオフにすることも、当然のようにできます。

このほか、天気アプリと加湿器を連携すれば、晴れの日ならオン・雨の日ならオフといった使い方もあるでしょう。まさにアイディア次第で、自分の生活スタイルに適したオンリーワンのスマートホームライフを設計できるのです。

スマートプラグの選び方

スマートプラグの機能面がわかりましたが、実際に購入するモデルを選ぶうえでは、他に注目すべきポイントはあるのでしょうか。大きくは、次の2つのポイントを比較しながら購入検討を進めたいところです。

  1. 隣のコンセントを邪魔しないサイズ感
  2. 複数口タイプのスマートプラグもある

隣のコンセントを邪魔しないサイズ感

隣のコンセントを邪魔しない
スマートプラグは、隣のコンセントを邪魔しない程度のサイズ感のものを選びたいです。ルーターなどの大きなACアダプタを差し込むと、隣のコンセントまで塞いでしまうことがありますよね。ACアダプタほどではないですが、通常のプラグよりもスマートプラグはサイズが大きいです。

また、形状も長方形から円形のものまでさまざまあります。コンセントまわりの状況を応じて、スマートプラグを選びましょう。基本的には、サイズは奥行きに注意して、形状は長方形を選んでおくと安心です。サイズが小さくても、奥行きのあるものや円形のものだと、隣のコンセントを使えないことが少なくありません。

また、エアコンなどコンセントが1つしかないならサイズの心配はあまりありません。
ただ、エアコン用のスマートプラグを、冬の間は加湿器で使いたくなることもあるかもしれません。
そういったケースも見越したうえで、スマートプラグのモデルを選びましょう。

複数口タイプのスマートプラグもある

スマートプラグはコンセント1口タイプが基本ですが、複数口タイプもリリースされています。1つのスマートプラグで、複数の家電製品をそれぞれ操作できるので便利ですね。

ただ、複数口タイプを選ぶ際は、設置スペースと設置場所に注意しましょう。1口タイプよりサイズは大きくなりますし、スマートプラグまでの配線も必要となります。そのため、操作したい家電製品の位置関係には十分に配慮しなければなりません。

逆をいえば、操作したい家電製品が2つ近くにあるなら、1口タイプを選ぶとコンセントをすべて使ってしまうので、複数口タイプがオススメです。

スマートプラグは安価で機能充実なIoTデバイス

スマートプラグは、数千円と安価ながらスマートホームの機能が非常に充実したIoTデバイスです。家電製品の遠隔操作や音声操作、スケジュール設定といったスマートホームの基本機能へもれなく対応しています。

加えて対応した家電製品の種類が多く、操作もオンオフだけでシンプルと、誰にでも使いやすい簡単設計です。スマートスピーカーや家電リモコンまでの機能はいらないけれど、安価にスマートホームを体感したい方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。