ウェアラブル端末とは?具体的な事例や役割、選ぶポイントも解説

ウェアラブル端末とは

インターネットに接続するデバイスはパソコンからスマートフォン、タブレットへと移行してきましたが、最近ではこれら以外の端末もインターネットを活用できるようになってきています。スマートスピーカーやテレビ、オーディオ機器、カーナビなどにもネットワーク接続機能が搭載され、多様な楽しみ方が実現しつつあります。

なかでも大きな役割を果たしているのが、スマートウォッチなど体の一部に身につけるウェアラブル端末とよばれるものです。実際に普段からウェアラブル端末を利用している人であればイメージはしやすいと思いますが、使ったことがない人にとってはウェアラブル端末で何ができるのか、どのような人に向いているのかなど分かりにくいものです。そこで今回は、ウェアラブル端末とは何なのか、どのような機能が搭載されているのかについても詳しく解説していきます。

ウェアラブル端末とは

ウェアラブル端末の基本情報
まずはウェアラブル端末とは何なのか、基本的なことから紹介していきましょう。ウェアラブル端末の「ウェアラブル」とは日本語で「体に身につける」という意味をもちます。すなわち、スマートフォンやタブレットのように手に持つのではなく、体の一部に常に身につけているようなものをウェアラブル端末とよびます。

インターネットに接続するデバイスの歴史を見てみると、本来は特定の場所に置いて使用していたデスクトップパソコンから始まり、手軽に持ち運びができるノートパソコン、さらには片手で操作できるスマートフォンといったように、人間にとって負担の少ない形状のデバイスに変化してきました。

ウェアラブル端末はもはや手に持つという動作すら必要とせず、つねに身につけている状態でネットワークに接続できるようになりました。スマートフォンやタブレット端末のように爆発的に普及しているとは言えない状況ですが、AppleやGoogle、Amazonなど多くのIT企業がウェアラブル端末の開発に参画しており、今後開発競争はさらに激化していくと予想されます。

また、パソコンからスマートフォンへのシフトによってSNSや動画サイトなどが広く普及してきたように、ウェアラブル端末が広まることによって新たなインターネットのコンテンツが登場し支持される可能性もあります。それほどウェアラブル端末には大きな可能性があるといっても過言ではありません。

ウェアラブル端末の事例

一口にウェアラブル端末といってもさまざまな形状のものがあります。今回は代表的なウェアラブル端末の事例を4つご紹介します。

スマートウォッチ

スマートウォッチ
出典:https://www.apple.com/jp/

スマートウォッチはウェアラブル端末のなかでも最も代表的な事例といえる存在です。その名の通り腕時計型のウェアラブル端末で、Appleの「AppleWatch」やSAMSUNGの「Galaxy Watch」、Fitbitの「Versa」など、さまざまなメーカーがスマートウォッチを販売しています。

多くの人が習慣的に身につけている腕時計の形状をしているため、ほとんどの人は抵抗なくスマートウォッチを受け入れられるはずです。また、スマートウォッチに搭載されている機能やデザイン、製品の素材などによっても価格は幅広く、高級感を求める人からスポーティーな時計を求める人まで、あらゆるニーズに対応できるのも大きなポイントといえます。

スマートグラス

スマートグラス
出典:https://www.epson.jp/products/moverio/bt300/

習慣的に身につけているものといえば、腕時計以外にもメガネが挙げられます。スマートグラスとはインターネット接続を可能にするメガネ型のウェアラブル端末です。スマートウォッチに比べてまだまだ数は少ないですが、本格的に普及すればスマートフォンやタブレット端末以上のイノベーションが起こるかもしれません。

現在のスマートグラスはトレーニングの補助的な役割を果たしたり健康管理を目的としたものが多いですが、なかには動画やネットサーフィンができるスマートグラスも登場しています。レンズの部分にディスプレイを表示させる機能が搭載され、いわゆる「ながら視聴」や「ながら閲覧」を可能にします。

しかし、ディスプレイ表示対応のスマートグラスは比較的大型の製品が多いため、メガネというよりも小型のヘッドマウントディスプレイに近いイメージです。今後さらに技術が成熟し小型化が可能になると、スマートグラスは一気に普及してくる可能性があります。

リストバンド

リストバンド
出典:https://www.fitbit.com/jp/charge3

リストバンド型のウェアラブル端末は活動量計ともよばれ、主に健康管理の用途で使用されることが多いです。スマートウォッチよりも軽量で小型の製品が多く、手首に身に着けていても気になりません。活動量計のような役割はスマートフォンでも代用することができますが、必ずしも24時間つねに身につけているとは限りません。また、スマートフォンのロックを解除してアプリを立ち上げ、データを都度確認するのも面倒な作業です。

さらにスマートウォッチでは重く感じてしまい、身につけるのをやめてしまったという人も多いことから、そのような場合にはリストバンド型のウェアラブル端末がおすすめです。

リング

リング
出典:https://ouraring.com/

ウェアラブル端末としての数は少ないですが、指に装着するリング型のデバイスも存在します。用途としてはリストバンド型と同様にヘルスケアを目的としたものが多く、腕時計とウェアラブル端末を併用したい場合にはリング型の端末がおすすめです。

ウェアラブル端末の役割

ウェアラブル端末にはどのような役割があるのか、代表的なパターンを4つご紹介します。

ヘルスケア

ヘルスケア
ウェアラブル端末のもっとも多い役割として挙げられるのがヘルスケア用途です。睡眠時間や睡眠の質、脈拍、歩数計、消費カロリーなど、健康に関するあらゆるデータを取得し知らせてくれます。しかし、これだけではネットワークに接続するメリットはないと考える人も多いことでしょう。

実は、ウェアラブル端末はスマートフォンやパソコンと連携することで健康管理に役立つデータを保存でき、1週間、1ヶ月単位で自分自身の健康データを振り返ることができます。実際に数字を見える化することによって達成感を味わうことができ、その後も健康的な生活を継続していくモチベーションになります。

メッセージの送受信

スマートウォッチなど一部のウェアラブル端末では、LINEやメールなどを受信して内容を閲覧できます。必要であればその場で簡単な返信をすることもでき、ポケットやカバンからスマートフォンを取り出すことなく操作が可能です。一見地味な機能に思えますが、たとえば満員電車の中で身動きが取れない場合であっても、スマートウォッチがあれば高い利便性を発揮できるはずです。

音楽再生

スマートフォンと連携しておけば、Bluetooth経由で音楽を再生したりさまざまなコントロールが可能になります。たとえばウォーキングやランニングをしている最中に音楽を早送りする際にも、わざわざスマートフォンを取り出す必要はなくウェアラブル端末からスマートに操作ができます。

通話

音楽再生と同様に、事前にスマートフォンとBluetoothで接続しておけば電話やメッセージアプリなどで音声通話をすることもできます。すべてのウェアラブル端末に対応しているものではありませんが、最近では比較的安価な機種でも対応済みのものが増えてきています。

ウェアラブル端末の選び方

自分に合ったウェアラブル端末を選ぶためには、機能はもちろんですが装着感がもっとも重要なポイントといえるでしょう。つねに身につけることが前提のデバイスであるからこそ、購入した後で装着感が合わないと使い続けることは難しいものです。スマートウォッチやリストバンド型など、デバイスの種類によっても重量感や装着感は異なるため、自分に合ったウェアラブル端末を選ぶようにしましょう。

また、スマートフォンとの連携をするという意味では現在使用しているスマートフォンのOSも重要なポイントです。たとえばiPhoneの場合、Appleが提供しちえるAppleWatchはシームレスに連携でき、設定も簡単です。機能や価格などを考慮してコストパフォーマンスで比較することも重要ですが、それ以上に満足感を得られるデバイスであるかが重要な要素となります。

今回紹介してきたウェアラブル端末の機能や役割は、今後さらに広まってくる可能性があります。さまざまなアプリケーションの登場によって、今までにない活用の仕方も発見できることでしょう。ウェアラブル端末の購入を検討している人は、ぜひ今回紹介してきた内容を参考にしてみてください。