ついに、日本にもGoogleの新しいスマートディスプレイ『Google Nest Hub Max』が上陸しました。
すでに6月に発売されていた『Google Nest Hub』の後継モデルとなりますが、具体的にはどんなスペックや機能がアップデートされているのでしょうか。
本記事では、Google Nest Hub MaxのMaxという言葉の裏に見え隠れする、進化ポイントを解説していきます。
目次
Google Nest Hub Maxは大画面&カメラで次世代スマートディスプレイに
Google Nest Hub Maxは、Google Nest Hubのディスプレイを大画面化したGoogleのスマートディスプレイ上位モデルです。
もちろんのことながらGoogle Assistantを搭載しているので、基本的なスマートディスプレイとしての機能は備わっています。
音声操作によるニュースや天気の読み上げはもちろん、SpotifyやYouTubeなどの音楽サービス・動画サービスの再生など、Google Nest Hubでこれまでできたことと同じ使い方ができます。
一方で、価格は28,050円(税込)とGoogle Nest Hubの15,120円(税込)に比べてほぼ2倍と高額です。
一体どんなところでこの価格の違いが出てくるのでしょうか。
Google Nest HubからGoogle Nest Hub Maxとなって変わった進化ポイントは、ズバリ次の2点です。
- ディスプレイの大画面化
- カメラが新搭載
10インチのHD大画面ディスプレイが見やすくて快適
Google Nest Hub Maxの大きな進化ポイントといえば、やはりなんといっても10インチの大画面ディスプレイです。
Google Nest Hubではディスプレイが7インチだったので、二回りほど大きくなったイメージでしょう。実際に2つの画面を横に並べて比較してみると、その違いは一目瞭然です。Google Nest Hubがタブレットサイズなら、Google Nest Hub Maxは小型テレビといったところでしょう。
Google Nest Hubでも、Google HomeやGoogle Nest Miniの音声応答だけでは不便だったところに、視覚情報が加わったことで非常に便利になっています。とはいえ、Google Nest Hubのディスプレイの大きさだと、近くまでいかないと画面の文字や動画を見るのには厳しい面がありました。
しかしGoogle Nest Hub Maxは、ディスプレイのサイズアップに加えて画面解像度もHDへと変更されているため、少し離れた場所からでも全く違和感がなくて快適です。
たとえば、ディスプレイに呼び出したレシピやタイマー画面も、ディスプレイが大きくなったことで文字や写真、動画が断然見やすくなっています。
冷蔵庫やガスコンロ、洗い場と調理中に移動しながらでも、ストレスなく画面をチェックできそうです。
また、Google Nest Hubで便利だったGoogleフォトを利用したデジタルフォトフレーム的な使い方も顕在で、大画面になった分よりはっきりとした画像を楽しめます。
項目 | Nest Hub Max | Nest Hub |
---|---|---|
画面サイズ | 10インチ | 7インチ |
画面解像度 | 1,280 ✕ 800(HD) | 1,024 ✕ 768 |
本体サイズ | 250.1mm ✕ 182.55mm | 178.5mm ✕ 118mm |
奥行き | 101.23mm | 67.3mm |
重さ | 1.32㎏ | 480g |
Google Nest Hubよりも本体サイズが全体的に大きくなっていますが、奥行きはその割にコンパクトな設計になっています。そのため、大画面ディスプレイであるものの、置き場所に困ることはあまりないでしょう。
本体のサイズアップでサウンド性能も向上!
本体サイズが大きくなった分、Google Nest Hubに比べてディスプレイの大画面化以外でパワーアップした嬉しいポイントが、サウンド性能です。
Goole Nest Hub Maxには、デュアルステレオスピーカーに加えて3インチのウーファーが搭載されており、出力30Wで迫力ある音声を提供してくれます。
Google Nest Hubはスピーカーが1基のみだったので、Google Nest Hub Maxの音を実際に聞くと、高音域から低音域まで幅広くなっていることを感じられるはずです。
普段の生活で音楽を聞いたり、動画を楽しんだりするには十分な音質を提供してくれます。また、リビングダイニングルームなど、多少の広さがある部屋であっても問題なく音が行き渡るでしょう。
本命は大画面ディスプレイじゃなくて新搭載のカメラ?!
Google Nest Hub Maxの最大の進化ポイントは、先ほど紹介したディスプレイの大画面化と誰もが思うはずです。
しかし、実は新搭載のカメラ機能が非常に多彩で、こちらが本製品の本命ではないのかと疑問を覚えるほどに、素晴らしい仕上がりになっています。具体的なカメラ機能は、大きく以下の4つです。
- FaceMatch
- クイックジェスチャー
- ライブビュー
- オートフレーミング
日常のさまざまな生活シーンで活躍してくれるに違いない機能を、1つずつ詳しく見ていきましょう。
FaceMatchはアカウント切替え不要で便利
Face Match機能は、その名のとおり登録している顔とマッチングして、誰がGoogle Nest Hub Maxを使おうとしているのか、自動的に判別してくれる機能のことをいいます。いわゆる顔認証ですね。
このFace Match機能が非常に便利で、1台のGoogle Nest Hub Maxを家族全員で利用していても、それぞれのGoogleアカウント情報を元に最適な情報を提供してくれます。たとえば、お父さんがスケジュールを確認すればお父さんのGoogleカレンダーを、息子がスケジュールを確認すれば息子のGoogleカレンダーを参照して、それぞれの予定を教えてくれるのです。
FaceMatchには最大で6人まで登録できるので、自宅で家族全員で利用するには十分でしょう。
そのほか、GoogleアカウントにGoogle PlayやSpotifyなどの音楽サービス、YouTubeなどの動画サービスを連携していれば、操作した人のプレイリストやレコメンドが適用されるようになっています。わざわざアカウントを切り替えたり、サービスごとに連携の登録をやり直す必要もないのでとても快適ですね。
ちなみに、カメラへ同時に2人以上が写っている場合は、一番近くにいる人が優先されるようになっています。
また、FaceMatchする顔情報の登録は、初期設定時にGoogle Homeアプリ経由で行います。
クイックジェスチャーで画面へ触れずに操作
Google Nest Hub Maxのカメラで面白い機能の1つが、クイックジェスチャー機能です。クイックジェスチャー機能を使えば、話しかけなくてもGoogle Nest Hub Maxの操作ができます。
たとえば、動画や音楽の再生中にGoogle Nest Hub Maxへ手をかざすと一時停止ができるんです。
このほか、音楽の再生やスキップはもちろん、タイマーの停止などにも対応しています。画面操作するには少し遠いけれど、わざわざ声を出すまでもないと感じるような操作を、画面へ触れず声も出さずに済みますし、なりよりもスピーディーです。
家族との会話中などにタイマーや音楽を停止したいときでも。会話を中断する必要がないので、意外と利用シーンが多いかも知れません。慣れてくると、日常生活に外せないタイプの機能かもしれませんね。
ライブビューで防犯カメラ代わり
次に紹介したいカメラ機能が、ライブビュー機能です。ライブビュー機能を使えば、外出時に遠隔地からでもGoogle Homeアプリを通して、Google Nest Hub Maxのカメラで部屋の様子を写すことができます。
つまりは、Google Nest Hub Maxを防犯カメラ代わりにも使えてしまうのです。画角も127度とネットワークカメラに匹敵するくらいの広角となっているため、1台でかなり広い範囲をカバーできます。
設置場所にもよりますが、子供の留守番をしている様子や、ペットの状況を確認できるので、人にとっては非常に嬉しい機能でしょう。また、照明やテレビを消し忘れていないか心配なときにも重宝しそうです。
さらに、ライブビュー機能をより快適に利用するためには、Google Nest Hub MaxとNestアプリを連携させるのがおすすめです。
誰かがカメラに写ったときに通知するアクティビティ管理や、外出・就寝時間に合わせてカメラのオンオフを切り替えるスケジュール設定が可能となります。セキュリティや見守りの観点で、十分に活躍を期待できる機能が備わっているといえるでしょう。
スマートディスプレイといえばやっぱりビデオ通話
スマートディスプレイにカメラが搭載されたら使ってみたい機能といえば、やはりビデオ通話ではないでしょうか。
Google Nest Hub Maxでは、Googleの提供するビデオ通話アプリGoogle Duoと連携させることで、スマホやタブレットと、そしてGoogle Nest Hub Max同士でビデオ通話ができます。
ビデオ通話するためには、相手のGoogleアカウントにその人の電話番号があらかじめ登録されている必要ありますが、それ以外はスマホのビデオ通話と使用感は変わりません。ほとんど迷うことなく、スムーズに利用ができるしょう。発信時は登録リストから呼び出すか、口頭で電話番号を入力します。
また、相手が不在の場合には動画メッセージを残しておくことも可能なので、ちょっとしたサプライズにも使えそうですね。
オートフレーミング機能でビデオ通話がはかどる
ビデオ通話だけでも十分に便利なんですが、Google Nest Hub Maxにはオートフレーミング機能まで搭載されています。
オートフレーミング機能とは、通話中にカメラが自動で人を常に中心へ写すようにズームしてくれる、デジタル調整機能のことです。
人が移動すると顔の位置を認識して、常に中心に顔が来るように画面が追って動いてきます。いわゆる自動追尾ですね。
通話相手から見ると、カメラの向きが変わって追いかけ続けているように見えますが、実際には本体はもちろん、カメラも全く動いていません。完全なデジタル処理で、ズームしているわけですから驚きですよね。
1つ注意が必要なのが、通話相手がスマホである場合です。スマホを通常とおり縦持ちしている状態だと、Google Nest Hub Maxでは左右が黒余白のスマホ画面になってしまいます。相手にスマホを横持ちしてもらえれば、大きな画面でビデオ通話を楽しめますよ。
カメラをミュートにできるプライバシーへも配慮した設計
このようにGoogle Nest Hub Maxのカメラ機能は非常に便利ですが、お風呂上がりなどカメラ機能をオフにしておきたいシーンもあるでしょう。
そんな場合でも、本体のカメラ背面に物理的にレンズを覆って隠してくれる、ミュートスイッチが備え付けてあるので大丈夫です。プライバシーへ配慮された設計になっていて安心です。
Google Nest Hub Maxは家族のコミュニケーションの中心となる存在
Google Nest Hub Maxは、スマートディスプレイを大画面化した上位モデルで、これまで課題だった使い勝手がかなり改善され、ストレスのない使用感を味わえます。
さらに新搭載のカメラには、ビデオ通話だけでなくFaceMatchやクイックジェスチャーなど、新機能が非常に充実かつ実用的です。
スマートディスプレイの新たな体験をさせてくれる、期待以上の仕上がりといえるでしょう。価格はGoogle Nest Hubよりも1万円以上値上がりしていますが、その価格差に見合うだけの申し分ない価値があります。
自然と家族の会話や生活の中心となっている、そんな家族コミュニケーションの未来のカタチを、Google Nest Hub Maxで先取りしてみてはいかがでしょうか。