お家をスマートホームにしたいと考えているあなたにおすすめなのが、照明のスマート化です。
照明は、手軽にスマート化ができる家電製品の1つです。しかも、専用の照明を購入しなくても今すでに設置されている照明をそのまま使ってスマート化する方法もあります。
照明をスマート化すると、スマートフォンアプリを使った外出先からの操作、さらには音声での操作も可能です。
そんなスマートホーム気分を味わう最初の一歩にぴったりな、照明をスマート化する具体的な方法を解説していきます。
目次
照明のスマート化する4つの方法
照明をスマート化する方法は、大きく次の4つあります。
- スマート照明を使う
- 家電リモコンと照明を連携する
- IoTガジェットを使う
- IoTシステムの導入
最後の「IoTシステムの導入」以外の3つは、今住んでいるお家で新たにIoTアイテムを購入して設定さえすればすぐにスマートホーム気分を楽しめるようになっています。
1つ1つ、詳しいスマート化の方法と特徴を見ていきましょう。
スマート照明を使う
4つのスマート化の方法のうち、最も手軽なのがスマート照明を購入して取り付ける方法です。
スマート照明とは、スマートフォンと無線接続して連携・操作ができる照明器具のことをいいます。有名なスマート照明を挙げますと、フィリップスの「Hue」やIKEAの「スマート照明」などがあります。
スマート照明のメリットは安価かつ細かな制御
スマートフォンアプリから照明のON/OFFはもちろん、調光や冷暖調色、タイマー設定などさまざまな操作ができるので非常に便利です。
また、家のインターネットと接続することで、外出先でも照明がついているかを確認できるため、消し忘れがあってもアプリで消灯できます。
また、ハブとなるブリッジ機器を利用することで、複数の照明を同時に制御したり、シーン別の照明設定することも可能です。
スマート照明はGoogle HomeやAmazon Echoといったスマートスピーカーと連携していることが多いので、設定すれば音声で照明を操作できるようになります。
このような機能をどこまで利用できるかは、メーカーや機種によって対応範囲が変わってきます。
また、スマート照明は価格が1つ数千円レベルなので、安価で導入しやすいという点もメリットです。
複数個の照明を利用したい場合にも、数個の照明とブリッジなどをセットにしたスターターキットなども用意されています。
スマート照明のデメリットはシーリングタイプが少ない
ただ、スマート照明は海外製品が多いためバルブ状の電球タイプがほとんどです。日本の照明器具はシーリングタイプ中心ですので、その点は少し使いにくいポイントです。
部屋が広くて、照明を設置できるところが限られている場合には、光が部屋の隅々に行き渡らないため、明るさには注意が必要でしょう。また、今ついている照明からスマート照明へ取り替える必要も出てきます。
スマート照明の中でシーリング型であれば、国内メーカーのソニー社が「マルチファンクションライト」という製品を販売しています。
シーリングタイプのスマート照明なので、バルブ型と違って広い部屋も十分にまかなえるでしょう。
さらに、上記で述べたスマート照明の機能に加えて、照明から音楽を再生できたり、他の家電機器も操作できると非常に多岐にわたる機能を備えています。
ただ、機能が盛りだくさんになった分、価格も3万円以上と高額になっています。
家電リモコンと照明を連携する
今ついている照明器具を、そのまま利用してスマート化する方法の1つが、家電リモコンを利用して照明と連携する方法です。
家電リモコンとは、テレビやエアコン、そして照明など赤外線リモコンで操作している家電製品を、まとめて操作できるガジェットのことをいいます。赤外線を利用しているので、赤外集中リモコンやIRリモコンなどと呼ばれることもあります。有名な赤外線リモコンは、Glamo社の「iremocon」やRATOC Systems社の「スマート家電コントローラ」、LinkJapan社の「eRemote」などがあります。
家電リモコン連携のメリット
普通なら、1つの家電製品に対して赤外線リモコンも1つ必要になりますが、家電リモコンを使えばそれぞれのリモコンがなくても、スマートフォンアプリ1つですべて操作ができます。照明はもちろん、テレビやエアコンなど赤外線リモコンで動いている他の家電製品も利用できるのです。
また、普段利用している赤外線リモコンの代わりになるので、いま設置している家電製品をそのまま操作できて非常に便利です。もちろん、照明を消し忘れて外出したときや帰宅前に、外出先からスマホアプリで照明をつけたり消したりできます。
また、家電リモコン自体がスマートスピーカーと連携しているため、連携設定をすれば照明やテレビ、エアコンを音声で操作が可能です。「OK, Google 電気消して」で電気を消してくれます。暗い部屋の中で、わざわざボタンを探す必要がなくなります。
家電リモコンに対応している家電メーカーや機種は、家電リモコンメーカーによって異なります。ただ、家電リモコンに学習機能の備わっているものであれば、対応機種以外でも各家電製品の赤外線リモコンから家電リモコンに対してボタン操作を覚えさせることもできるようになっています。
家電リモコン連携の注意ポイント
ただ、家電リモコンを利用したスマート照明化は、以下の3つの注意ポイントがあります。
- 操作できる範囲はひと部屋だけ
- 現在の状態確認や細かい制御ができない
- 外出先からの操作機能は月額費用がかかる
1の操作範囲については、家電リモコンが赤外線を利用した操作である以上、操作できる照明は赤外線が届く範囲内だけになります。赤外線は壁など遮蔽物を透過できませんので、テレビやエアコンを隣の部屋からリモコンで操作できないのと同じです。
2については、赤外線リモコンが送信専用のガジェットであるがゆえに、外出先などからアプリで照明がついているのか、消えているのかがわかりません。また、家電リモコンで操作できる照明コマンドがメーカーによって決まっているので、照明側の機能として細かい調光・調色などがあっても、家電リモコンではそのような細かい制御をすべてはできません。おおむね、ON/OFFや数段階の調光まではできますが、それ以上は難しいことがほとんどのです。
3については、家電リモコンのメーカーによりますが、宅内操作は無料で利用できるものの、外出先からの操作機能は月額有料モデルになっている場合があります。家電リモコンの購入をする場合には、この点もチェックしておいたほうが良さそうです。
IoTガジェットを使って簡単に
家電リモコンと同じく、今ついている照明をそのままスマート化させる方法として挙げられるのが、IoTガジェットを使うパターンです。具体的な製品として、「スイッチボット」というスイッチを押すための小型指ロボット的なIoTガジェットがあります。
スマートフォンアプリからスイッチボットを操作すると、本体部分から小指くらいの小さなアームが出て、スイッチを押してくれるようになっています。照明のスイッチ部分に取り付ければ、ON/OFFしたいタイミングでスマートフォンアプリからスイッチボットを操作すると、アームがスイッチを押して照明をつけたり消したりくれるという仕組みです。
IoTガジェットを使うメリットは安価&手軽
かなり簡易的な方法にはなりますが、この方法はのメリットはなんといっても安価かつ手軽に照明をスマート化できるところでしょう。5,000円未満でAmazonで購入できますし、取り付けもスイッチ部分に両面テープで貼り付けるだけです。
また、複数のスイッチを同時に制御したいときには、Switch Linkというハブ機器を利用して一括操作などが実現できます。
このSwitch Linkがあれば、インターネット経由で外出先などから遠隔操作も可能になります。
IoTガジェットを使うデメリット
スイッチボットはスイッチのONかOFFしかできませんので、照明の調光・調色といった他の制御はもちろんできません。また、スイッチ単位での制御になるので、複数のスイッチを制御したい場合は、そのスイッチの数だけスイッチボットが必要になります。ただ、ONボタンとOFFボタンそれぞれ1つずつスイッチボットが必要と思われる方もいますが、スイッチ引き上げパーツがあるのでその心配はいりません。
とはいえ、スイッチの形状やスイッチボット以外の製品を利用する場合は、ONとOFFでそれぞれ1つずつ必要になることもあるので注意しましょう。また、取り付け方や取り付け位置を誤ると、スイッチボットが作動してもスイッチ操作がされないこともあります。見た目の面でも、スイッチのところにボックスが取り付けられることになるので、気になる方もいるかも知れません。
加えて、スイッチボットはバッテリー駆動であるため、定期的に電池を交換をしなければなりません。ただ、バッテリー寿命は600日間も持続するようなので、交換頻度は2年に一度くらいので済みます。
新築ならIoT照明システムの導入も
ここまでの3つの方法は、すでに住んでいる家で照明をスマート化する方法を紹介してきましたが、もしこれから新築の住宅を建てられる予定があるなら、こちらの方法もおすすめです。それが、パナソニックなど大手照明メーカーが展開しているIoT照明システムを導入する方法です。
IoT照明システムなら仕上がりがスッキリ
IoT照明システムを導入するメリットは、なんといっても仕上がりがスッキリ見えることです。スマート照明と違って照明の形状もある程度は自由に選択できますし、家電リモコンやIoTガジェットのように他の制御機器がいらないため、住居のデザインを邪魔することがありません。
そして、スマートフォンアプリで非常に細やかでバリエーション豊かな制御ができるのも大きなポイントでしょう。たとえば、照明シーンの設定やその呼び出し、消し忘れの確認、遠隔操作などがあります。
また、ハウスメーカーや工務店が入居後すぐに利用できる状態で引き渡してくれるので、めんどうな設定作業も必要ありません。
デメリットはコスト面
IoT照明システムのデメリットは、製品的にも、工事的にもコストが高くなりやすいところでしょう。システムとして連携できる照明の機種が決まっているため、照明本体だけでなくスイッチや制御リモコンなどを専用モデルで購入する必要があります。
また、シーン制御を利用する場合には配線にも気を配る必要があり、工数が増える分だけコストに跳ね返ってくるでしょう。また、照明を買い換えるときに他社メーカー製品だとシステムが成り立たないので、同じメーカーの製品に絞られる点も注意ポイントです。
スマート化の方法 | 照明器具 | 金額 | 新築or既築 |
---|---|---|---|
スマート照明 | 取り替える | 1つ数千円 | 新築も既築もOK |
家電リモコン | そのまま | 1万円~2万円 | 新築も既築もOK |
IoTガジェット | そのまま | 1つ数千円 | 新築も既築もOK |
IoT照明システム | 新しく取り組む | 見積もり次第 (10万円以上) |
新築だけ |
今の照明をスマート化するかスマート照明を使うか選ぼう
照明をスマート化する方法は、スマートホームのIoTガジェットが普及したことで、金額的にも取り付けや設定も負担が少なく、手軽に導入ができます。今住んでいる家の照明をスマート化する方法は3つありますが、大きく分けると今の照明をそのままスマート化するか、スマート照明に置き換えるかの2択から選ぶことになります。
シーリングライトを利用したいのであれば、今の照明をスマート化する方法がおすすめですが、細やかな制御を行いたいのであればスマート照明に軍配が上がります。いずれの方法も安価かつ手軽にできるので、お試し感覚で一箇所だけ導入して比較検討してから本格的に導入しても良いかもしれませんね。