自宅のスマートホーム化で忘れてはならないIoTセキュリティ対策

スマートスピーカーやスマートキーなどのIoTデバイスを設置して自宅をスマートホーム化するご家庭が増えています。しかし、自宅のあらゆるモノがインターネットに接続されると、気になるのはセキュリティ面ですよね。

自宅のスマートホーム化には、リスクの把握と正しいセキュリティ対策が不可欠です。そこで、この記事では、スマートホームに求められるIoTセキュリティについて解説します。

自宅のスマートホーム化で起こり得るセキュリティリスク

従来の家庭では、インターネットに接続されている機器といえばスマーフォンやタブレット、パソコンくらいだったので、これらデバイスと自宅のWi-Fiにセキュリティ対策を施していれば十分でした。

しかし現在では、スマートスピーカーやスマートキー、そして冷蔵庫や電子レンジまでインターネットに接続されています。つまり、セキュリティ対策が必要なデバイスが家庭内に数多く存在しているということです。

これらのデバイスは全て家庭のWi-Fiを利用してインターネット接続され、いわゆるホームネットワークを形成しています。
では、自宅のあらゆるモノがインターネットに接続されホームネットワークを形成していると、どのようなリスクがあるのでしょうか。

例えば、スマートスピーカーが第三者によって乗っ取られてしまうと、まるで盗聴器のように日常の会話を全て聞かれてしまいます。そして、スマートキーがハッキングされ、外部の何者かが自由に操作できるようになると留守の時や深夜に勝手にドアを解錠され自宅へ侵入されてしまうリスクもあります。

さらに、あらゆるデバイスがホームネットワークにより接続されているため、あるデバイスから侵入されてしまうと、パソコンやスマーフォンにもアクセスされ、個人情報や銀行のパスワード等を抜き出されてしまう恐れもあります。

自宅へスマートデバイスを導入する際に、私たちが気を付けるべきポイントはどのようなものでしょうか。

まず、問い合わせ窓口や購入後のサポートのあるスマートデバイスを購入するようにしましょう。海外製のスマートデバイスの中には、購入後のサポートが一切ない製品も含まれています。サポートを受けられなければ、セキュリティ対策を含むデバイスのアップデートも行えないので、使用し続けると危険だからです。

導入するデバイスがきちんとパスワード保護されているかどうか確認します。大抵のデバイスは工場出荷状態の簡単なパスワードが設定されていると思います。

例えば「0000」など簡単なものや自分の生年月日のみの単純なパスワードでは、すぐに推測されてしまうので必ずアルファベット（大文字・小文字）と数字を併用した他の強固なパスワードに変更しましょう。

デバイスのソフトウェアを定期的に更新するのもセキュリティ対策として有効です。デバイスの製造元は最新のセキュリティ対策を施したプログラムを公開しているので、製造元のサイトやSNSを定期的にチェックし、更新プログラムがないかを確認します。

自宅のWi-Fiを見直すことも重要です。古いWi-Fi機器の場合、パスワードが単純であったり、最新のアップデートに対応していなかったりと、セキュリティ対策が十分でない可能性があります。比較的最新のルーターを設置し、パスワードも定期的に更新する必要があるでしょう。

また、万が一ホームネットワークに侵入された時を想定して、銀行や証券会社など不正アクセスのリスクが非常に高いサイトに関してはログインの2要素認証を設定しておく等、早期からセキュリティ対策を強化しておくのがおすすめです。

使用しなくなったデバイスを電源やインターネットに接続したままにしておくと、自分では気づかないうちに乗っ取られてしまうリスクがあります。

例えば、スマートスピーカーやネットワークカメラなど自分では使用していないつもりでも、いつの間にか不正アクセスされ、外部に自宅の様子が筒抜けになっている可能性があるからです。

また、使用しないデバイスはデータを削除して初期化するのもセキュリティ対策として効果的です。デバイスに保存されている個人情報が漏れてしまわないように十分に気を付けましょう。

スマートスピーカーに声をかけて照明の明るさを調整したり、ネットワークカメラを使って外出先から留守番している子供やペットの様子を見守ったり、自宅をスマートホーム化すると私たちの生活が大変便利になります。

しかし、忘れてはならないのがスマートデバイスのセキュリティ対策です。自分や家族のプライバシーを保護し、安全を守るためにも、スマートデバイスが外部から不正操作されてしまわないようにパスワードの強化、定期的なアップデートなど十分な対策をとりましょう。