Google Nest WiFiというWiFiルーターをご存知でしょうか。
あのGoogleがWiFiルーターを作っているの?とびっくりした方もいるかもしれませんが、性能の高さやデザイン性で非常に注目を集めています。
今のWiFiルーターに不満があった、買い換えようと考えていたのであれば、Google Nest WiFiも選択肢に含めたほうが良いかもしれません。
ここでは、Google Nest WiFiのメリットや便利な機能だけでなく、デメリットも詳しく解説し、ベストバイな製品なのかチェックしていきます。
目次
Google Nest WiFiとは
Google Nest WiFiとは、検索エンジンなどで知られるアメリカの大手IT企業Googleが開発・販売しているWiFiルーターです。
2018年に前モデル『Google WiFi』が発売された後、2019年12月にリニューアルされ、『Google Nest WiFi』として新たに登場しました。
新旧モデルの基本スペックをまとめてみると、以下のとおりです。
スペック | Google Nest WiFi WiFiルーター |
Google Nest WiFi 拡張ポイント |
Google WiFi |
---|---|---|---|
WiFiアンテナ | IEEE802.11ac/a/b/g/n | IEEE802.11ac/a/b/g/n | IEEE802.11ac/a/b/g/n |
最大通信速度 | 5Ghz:1733Mbps 2.4Ghz:450Mbps |
5Ghz:866Mbps 2.4Ghz:300Mbps |
5Ghz:866Mbps 2.4Ghz:300Mbps |
CPU | クアッドコア1.4GHz | クアッドコア1.4GHz | クアッドコア710Mhz |
電源ポート | 専用端子 | 専用端子 | USB Type-C |
LANポート | WAN 1つ LAN 1つ |
なし | WAN 1つ LAN 1つ |
サイズ | 直径 110mm 高さ 90.4mm |
直径 102.2mm 高さ 87.2mm |
直径 106.1mm 高さ 68.7mm |
重さ | 380g | 350g | 340g |
価格(税抜) | 19,800円 | 18,150円 | 16,200円 |
前モデルからGoogle Nest WiFiになって大きく変わった点は、やはり最大通信速度でしょう。
前モデルのAC1200クラスからAC2200クラスに変更となっており、WiFiルーターの通信速度の性能が大幅に改善していることがわかります。
その一方で、性能が良くなった分だけ価格も若干高いです。また、外観に目を向けて見てみると、少しサイズが高くなっていることに加えて、電源ポートが専用端子に変わっておりType-Cが使えません。
Google Nest WiFiと普通のWiFiルーターの違い
Google Nest WiFiが一般的なWiFiルーターと何が違うのかというと、やはりメッシュWiFi製品である点に尽きるでしょう。
メッシュWiFiに関する記事は下記をご参考ください。
スマートホームにおすすめなメッシュWiFiとは?メリットデメリットを解説!
WiFiルーターと言うと、もうすでに多くの専門メーカーがしのぎを削っている世界ですが、なぜ今さらあのGoogleが?と疑問に感じる方もいるかも知れません。
しかし、このメッシュWiFiは最近新たに登場したWiFiテクノロジーであり、まだ製品も出回り始めたばかり、これからの市場なのです。そこにGoogleが目をつけたというわけですね。
メッシュWiFiは、メインルーターとともに複数のサテライトルーターを適度に設置することで、WiFiのカバーエリアを広範囲にできる優れものです。
また、WiFiルーター中継機と違ってサテライトルーターでデータ処理ができるため、メインルーターに負荷がかかりにくく、通信速度も安定します。
Google Nest WiFiは、WiFiルーターとして優れた性能を持つメッシュWiFiを搭載している点で、普通のWiFiルーターと決定的に違うのです。
Google Nest WiFiの4つのメリット
Google Nest WiFiの概要がわかったところで、次に気になってくるのはその特徴やメリットでしょう。
特に以下の4つのポイントは、Google Nest WiFiならではのメリットとなっています。
- メッシュWiFiだから広い&安定の通信環境
- 拡張ポイントをスマートスピーカーとしても使える
- 初期設定はGoogle Homeアプリで簡単
- WiFiルーターの中では突出したデザイン性
それぞれのメリットを具体的にチェックしていきましょう。
メッシュWiFiだから広い&安定のWiFi通信環境
Google Nest WiFiの最大の特徴にしてメリットといえるのが、メッシュWiFiなのでWiFi通信が広範囲をカバーしつつ通信速度も安定する点です。複数階建てや広い戸建てに住んでいると、WiFiが繋がらない・電波の弱い部屋がある場合も少なくないでしょう。
また、単純にスマホやパソコン、ゲーム機などWiFiに接続するデバイスが多く、通信が安定しないケースもあるのではないでしょうか。
そんなとき、Google Nest WiFiの拡張ポイントを各部屋に設置するだけで、問題は解決します。
なぜなら、Google Nest WiFiのWiFiルーターは1台で広さ約120平米をカバー、そして最大で100台ものWiFi機器が接続できるからです。120平米はおよそ36坪に相当するので、都心の一戸建てなら1台で丸々カバーできてしまいますね。
また、最大WiFi接続台数は拡張ポイントもWiFiルーターと同様に、1台につき最大100台の接続が可能です。Google Nest WiFiをセット購入すれば200台もカバーできるのは驚きですよね。
このように、Google Nest WiFiがあれば家全体にWiFiネットワークを行き渡せられるので、「WiFiが繋がりにくい」「通信速度がいまいち遅い」といった悩みから開放されるでしょう。
このほか嬉しいポイントとして、部屋を移動しても自動的に最適な拡張ポイントに接続し直してくれる点が挙げられます。スマホを持って1階から2階に移動しても、通信が途切れることもありません。
現在使っているWiFiルーターで通信速度や接続にストレスを感じている人なら、このWiFi通信環境のメリットだけでも、Google Nest WiFiのメリットを十分に感じることでしょう。
拡張ポイントがスマートスピーカーとしても使える
Google Nest WiFiならではの特徴として、拡張ポイントがスマートスピーカー機能を有している点も挙げられます。なんと、Google Nest miniと同じGoogleアシスタントが使えてしまうのです。
WiFiルーターを購入すると、スマートスピーカーがおまけでついてくるようなものなので、非常にお得に感じますよね。
天気予報や音楽再生、スマートホームデバイスの操作など、さまざまなことを「OK Google、○○○」と声をかけるだけで実現可能です。
また、「OK Google、WiFiの通信速度教えて」と聞くと今の通信速度も教えてくれます。WiFiルーターである、Google Nest WiFiだからこその使い方ですね。他のメッシュWiFi製品でスマートスピーカー機能を備えたモデルはほぼないので、1台2役をこなすGoogle Nest WiFiの大きなアドバンテージといえるでしょう。
初期設定はGoogle Homeアプリで簡単
設定が面倒なイメージのあるWiFiルーターですが、Google Nest WiFiはGoogle Homeアプリを使った簡単設定になっているところも嬉しいポイントです。
初期設定はスマホアプリに表示される手順に従って進めるだけなので、わざわざ取扱説明書を見る必要もありません。取扱説明書だと、設定している途中でWiFiルーターの状態がよくわからず、このまま手順を進めてよいか悩むこともありますよね。
しかし、アプリを使っていればGoogle Nest WiFiの接続状態から、設定の進み具合を把握して手順を表示してくれるので安心です。初期設定で迷うことがなくなるので、家電やデジタル製品の設定があまり得意ではないという人も問題なく進められるでしょう。
また、アプリで日々のネットワーク使用状況からリアルタイムの通信状況、端末の接続状況など、WiFiに関するさまざまな情報をチェックできる点も評価できます。
WiFiルーターの中では突出したデザイン性
Google Nest WiFiは、性能が優れていることはもちろんですが、デザインもおしゃれで洗練されています。
WiFiルーターといえば、色は黒1色、形は四角いボックス状のデザインが一般的で、どちらかというとおしゃれとは対極にあるイメージでした。
一方のGoogle Nest WiFiは、丸みを帯びた優しげなフォルムでスマートな印象です。
色も壁紙と馴染みやすいホワイトが採用されているので、部屋の見えるところに置いていても、決して外観を崩さないデザインになっています。
さすが、アメリカの最新IT企業Googleといったところでしょう。
さらにサイズもコンパクトなので、ちょっとしたスペースに設置したとしてもあまり邪魔になりません。
テレビの脇に置いても、リモコン操作が遮られないのは嬉しいですね。
また、LANポートとAC電源は背面下部にあるため、ケーブルが目立ちにくいよう配慮されている点もポイントが高いです。
Google Nest WiFiの便利な機能
Google Nest WiFiは、上記で挙げたさまざまなメリットに加えて、かゆいところに手が届く便利な機能もあります。ちょっとしたことなのですが、実際に使い始めるとその便利さが身にしみてわかる機能ばかりです。
ここでは、以下の3つの機能について1つずつ詳細を見ていきましょう。
- ファミリーWiFi機能で子供のインターネット利用も安心
- ゲストWiFiも簡単で便利
- 優先順位付け機能で動画視聴が快適
ファミリーWiFi機能で子供のインターネット利用も安心
Google Nest WiFiの便利な機能として、デバイスごとにWiFi接続の設定ができるファミリーWiFi機能が挙げられます。ファミリーWiFi機能では、アプリから即時にインターネット利用の停止が可能なことに加え、時間指定でのインターネット使用制限もOKです。
たとえば、深夜の時間帯や家族で食事をする時間などを指定しておけば、一時的にWiFiの利用ができないようにスケジューリングしてくれます。
また、アダルトコンテンツのブロックも可能となっているので、お子様がいる家庭でも安心してGoogle Nest WiFiを導入できるでしょう。
ゲストWiFiも簡単で便利
自宅に遊びに来た友人向けに設定できるゲストWiFiも、Google Nest WiFiの便利な機能の1つといえます。自宅のSSIDとパスワードを教えてしまうのは、友人や知り合いとはいえセキュリティの観点で少し心配という方もいるでしょう。
そこで、ゲストWiFiを設定して使ってもらいます。
設定方法は、ゲストWiFiをオンにしてSSIDとパスワードを指定するだけなので、とても簡単です。普段使っているSSIDとパスワードは知られないので、安心して使ってもらえます。
指定したSSIDやWiFiパスワードは、そのままスクショ・コピーしてLINEなどのメッセージアプリで送ればOKです。SSIDやパスワードの確認でわざわざ本体裏を見る必要もありませんし、ゲストも気楽にWiFiを使えるので、おもてなしの1つとして喜んでもらえるでしょう。
優先順位付け機能で動画視聴が快適
Google Nest WiFiの優先順位付け機能も、実用的でとても便利です。接続するWiFi機器の台数が増えれば増えるほど、どうしても各デバイスの通信速度が遅くなってしまうことがあります。
特に、動画視聴などデータの大きい通信を行うタイミングでは、別の端末の影響を受けやすいです。Netflixやプライムビデオで映画を楽しんでいるときに、途中で止まったり音ズレになったりすると本当に興ざめしてしまいます。
そんなときに役立つのが、優先順位付けの機能です。
優先デバイスに設定しておくことで、常に一番速いWiFi通信が割り当ててくれるようになります。
これで、動画視聴を止まる心配なく思う存分楽しめますね。
また、2020年12月のアップデートで、優先デバイスに加えて優先アクティビティの項目が追加されました。
優先アクティビティでは、ビデオ会議とゲームが指定できるようになっています。
動画視聴など他のアクティビティよりも、仕事のビデオ会議の通信を最優先にしたい場合にも対応できるというわけです。
リモートワークでZoomやHangoutなどを利用する機会が増えたので、デバイス単位ではなくアクティビティ単位で優先度を変えられるのはとても嬉しいですよね。
また、ゲームが追加されている背景は、GoogleからリリースされたStadiaというクラウドゲーミングサービスの影響でしょう。
このように、Google Nest WiFiは今後もソフトウェアアップデートで、新たな機能が次々に追加されパワーアップしていくことが期待できます。
Google Nest WiFiの3つのデメリット
Google Nest WiFiのメリットや便利な機能など、ここまでプラスの面について触れてきましたが、やはりデメリットもしっかりと確認しておきたいですよね。
ここでは、以下の3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
- メッシュWiFiだから普通のルーターよりも価格が高い
- 有線LANポートが1つしかない
- 最新のWiFi6には未対応
メッシュWiFiだから普通のWiFiルーターよりも価格が高い
デメリットの1つとしてまず最初に挙げられるのが、普通のWiFiルーターと比べてGoogle Nest WiFiの価格が高い点でしょう。
Google Nest WiFiをはじめとするメッシュWiFi製品は、一般的なWiFiルーターよりも機能面で優位に立つ一方で、どうしても価格は高くなります。また、拡張ポイント(サテライトルーター)を増やしていくのであれば、当然ながらその分だけ出費はかさみます。
とはいえ、WiFiルーター1台では限界もあるでしょうし、接続機器が増えればWiFiルーター中継機でも対応しきれません。
安物買いの銭失いにならないよう、よく吟味する必要があるでしょう。
ちなみに、メッシュWiFiの中でGoogle Nest WiFiの価格ポジションは、ちょうど中間くらいです。具体的にはNest WiFiルーターが19,800円、そして拡張ポイントが18,150円、セットで31,900円となっています。
- Google Nest WiFiルーター 19,800円
- 拡張ポイント 18,150円
- Google Nest WiFiルーター+拡張ポイント 31,900円
普通のWiFiルーターもピンきりですが、安ければ5千円程度、1万円も出せばそれなりに高スペックな製品があります。3万円ともなると、業務用WiFiルーターやゲーミングPCくらいでしか使わないような、超ハイエンドWiFiルーターも購入可能です。そのため、用途や使用環境によって、Google Nest WiFiにすべきか、ハイスペックWiFiルーターにすべきかは決めるべきでしょう。
基本は、複数階や広い一戸建てでどの部屋でもWiFiを使いたい人はGoogle Nest WiFi、ひとり暮らしやアパートならWiFiルーターがおすすめです。また、WiFi接続する機器がかなり多いご家庭も、Google Nest WiFiがあると通信が安定します。
決して安い買い物ではありませんので、購入を検討しているのであれば、Google Storeや量販店で開催されるセール、もしくはキャッシュレス決済のポイント還元キャンペーンなどをうまく活用したいところです。
- 複数階や広い一戸建てでどの部屋でもWiFiを使いたい人→Google Nest WiFi
- ひとり暮らしやアパート→WiFiルーター
有線LANポートが1つだけしかない
Google Nest WiFiに有線LANポートが1つだけしかない点も、使う人によってはデメリットとなるでしょう。
一般的なWiFiルーターには、WANポートのほかに有線LANポートが少なくとも2つ3つは備わっています。有線LANポートが少ないのは、WiFi利用を前提で設計されたこと、そしてデザイン性などを重要視してのことなのでしょう。
そのため、有線LANで接続してのインターネット利用が中心になる方は、Google Nest WiFiは避けたほうが無難でしょう。また、拡張ポイントには有線LANポートがそもそも存在しないので、その点にも注意しておきましょう。
最新のWiFi6には未対応
最新のWiFi6に未対応となっている点も、Google Nest WiFiの残念なポイントの1つでしょう。WiFi6とは、現在主流になっているWiFi5の後継となる新たなWiFi規格で、通信速度と同時接続数がさらに改善されています。
WiFi6対応WiFiルーターはまだまだ多いわけではありませんが、現在WiFi5対応が当たり前になっているように、数年後にはより高性能なWiFi6へと移行していくことが自然でしょう。
WiFiルーターをあまり買い替えたくないという人は、WiFi6に対応したWiFiルーターを購入するか、GoogleからWiFi6対応のルーターが出てくるのを待ちましょう。
WiFi環境に困っているならGoogle Nest WiFiは十分あり!
Googleが開発したGoogle Nest WiFiは、メッシュWiFiでそもそものWiFi性能が高いことに加えて、オンリーワンのメリットや機能もあります。スマートスピーカー内蔵の拡張ポイントや洗練されたデザイン、デバイス・アクディビティごとの優先順位付などは非常に魅力的です。
また、Google Nest WiFiはメッシュWiFiの中でもそこまで高い価格帯ではないため、メッシュWiFiのお試しで導入するのもありかもしれません。
ご自宅のWiFi環境でお困りであれば、ぜひ一度Google Nest WiFiを検討してみてはいかがでしょうか。