時代の流れに応じてオフィスでの働き方は変化しています。1990年代にはほとんどのオフィスにパソコンが並べられ、インターネットにも接続できるようになりました。そして現在はパソコンだけでなく、照明や空調設備、トイレまでもインターネットに繋がるようになりました。
この記事では、オフィスをIoT化するメリットや活用事例について解説します。
目次
オフィスをIoT化するメリット
1990年代にパソコンがインターネットに繋がると、取引先との交渉を電話・FAXだけでなくメールでも行えるようになり、業務が一気に効率的になりました。
そして近年は、オフィス内のあらゆるモノがインターネットに接続されるようになりましたが、その効果をすでに実感している企業は多いようです。
オフィスをIoT化すると、社員の業務効率化や光熱費の削減など多くのメリットがあります。
従来なら紙の書類で行っていた出張費などの申請をインターネット上の社内ツールから行えるようになると、経理や人事担当者の書類チェックにかかる業務が低減します。
例えば、提出された書類に不備がある場合でも、社内ツールで該当箇所を指摘すれば、社員が簡単に修正して再提出できます。書類チェックを行う担当者や書類を提出する社員双方の業務負荷が低減し、紙代も節約できるのが大きなメリットです。
また、空調装置もインターネットに繋がると便利になります。オフィスが寒すぎたり暑すぎたりすると仕事の効率が下がってしまう人もいるでしょう。
空調設備をIoT化すると、オフィス内に取り付けた温度・湿度センサーがデータを取得し、予め設定した温度を維持できるように自動で温度・湿度調整できます。
オフィスへのIoT活用事例
毎朝、笑顔で挨拶して心と身体のコンディションをチェック
最も効率よく仕事をこなすには、心と身体が元気でなくてはいけません。しかし、多くの人が自分でも気づいていないストレスを抱えています。ストレスに対処しないまま放っ02ておくと、作業効率が低下し、最悪の場合は出勤も難しくなってしまいます。
そこで、東京システムハウスは「AI/IoT あいさつトレーナー」をリリースしました。「AI/IoT あいさつトレーナー」は、社員の笑顔やあいさつを分析して心と身体の健康状態をチェックするシステムです。
画像引用元:あいさつトレーナー(デモ動画)
毎朝出勤すると、「AI/IoT あいさつトレーナー」を導入したロボットやタブレットに笑顔で「おはよう」と挨拶します。すると、AIが笑顔の具合や声の調子を分析し、元気度をグラフ化して表示する仕組みです。社員は毎朝の自分の状態を客観的に把握できるので、調子の悪い時は仕事量を減らすなど、コンディションに合わせて業務を遂行できます。
社員の業務効率化に役立つだけでなく、朝から意識して笑顔であいさつすることで職場の雰囲気が明るくなるというメリットもあります。
オフィスビルのトイレへのIoT導入で業務とトイレが効率的に
駅やショッピングセンターに広まっている「トイレの空室管理システム」は、オフィスでも活用できます。仕事中にトイレのために席を立つと集中力が途切れてしまいます。それなのに、トイレに行ったにも関わらず空いていなかった場合、デスクとトイレとの往復で貴重な時間をロスしてしまいます。
そこで「トイレの空室管理システム」を導入すると、トイレのドアに取り付けた開閉センサーまたは室内に取り付けた人感センサーが感知します。センサーからの情報はインターネットを介して社員が社内ツールから確認できるようになります。
KDDIが開発した「KDDI IoTクラウド ~トイレ空室管理~」はスマホやパソコンからアクセスできる専用サイトを使ってオフィスビル内のトイレの空室状況を確認できます。
画像引用元:KDDI IoTクラウド ~トイレ空室管理~
さらに、オフィスビルの管理者は1日のトイレの利用状況をグラフで確認し、清掃や点検の頻度を利用率に応じて適切に決められるので、効率的なビル管理が行えるようになりました。
コピー用紙の発注忘れを防止する「コピー用紙自動配送サービス」
オフィス用品の通販サイト「アスクル」は、「コピー用紙自動配送サービス」を行っています。こちらは、重量センサーが組み込まれた「スマートマット」にコピー用紙の在庫を保管することで、在庫が少なくなれば自動注文されるIoTサービスです。
画像引用元:ASKUL
スマートマットの導入で、コピー用紙の発注忘れを防止し在庫管理を容易にできます。なお、発注のタイミングはアスクルのホームページからオフィスに最適な頻度に設定できます。
IoTの導入でオフィス勤務がより快適に
オフィスをIoT化すれば、快適な温度・湿度に保たれた環境の中で仕事ができ、空室状況を確認してからトイレに行けるので時間を無駄にしません。
また近年は、仕事によるストレスをため込んでいる人も多いですが、毎朝のあいさつで自分のコンディションをチェックできると、体調に合わせて効率的に仕事を行えます。コピー用紙が自動で届くスマートマットを導入すれば、コピー機を見回る業務も削減できます。
このようにオフィスへのIoT導入は、従来よりも業務負荷を減らし仕事の効率化に役立ち、適切な空調管理により光熱費削減にも大きな効果があるでしょう。