農業へのIoT活用事例を紹介!省力化・効率化に効果あり

日本の農業へのIoT活用事例 ビジネス

日本の農家人口は年々減少しています。その原因は、農業はきつくて重労働・収入が少ないといった理由から後継者が不足しているためです。そこで近年、農業の省力化・効率化を目的としたIoTやAIなどの最新テクノロジーを利用した農業が注目されています。

この記事では農業のIoT化で変わることや、IoTを利用した農業の事例を紹介します。

農業をIoT化することで起こる変化

農業をIoT化することで起こる変化

農家の高齢化と後継者不足

農林水産省「農村の現状に関する統計」によると、平成22年に650万人だった農家人口は平成30年には418万人に減少しています。その大きな原因は、農業従事者の高齢化と後継者不足です。

農業は、土壌の整地から作物の栽培、収穫まで作業者の労働負荷が非常に大きいので、「農業はきつい、大変」というイメージを持ちがちです。そのため、農業に挑戦したいという後継者がなかなか集まりません。

そんな中、IoTやAI、ドローンなどの最新テクノロジーを利用した農業が誕生し、従来の「きつい、大変」という農業のイメージが変わろうとしています。

農業のIoT化で変わること

IoT(モノのインターネット)により農業機器がインターネットに接続されます。例えば、ドローンを農地の上空へ飛ばすと、ドローンに搭載したカメラが農地の状況を撮影。

撮影データはインターネットを介して農家のパソコンやスマホに送られるので、作業者はわざわざ農地を歩き回らなくても農作物の状況を把握できるのです。

ドローンによる撮影データは、土地の整地状況や作物の成長度合い、果実の収穫時期決定などあらゆる農作業に活用できます。

日本における農業のIoT活用事例

作物の栽培環境や生育状況をモニタリング

フィールドサーバでモニタリング

ベジタリアが開発した屋外計測モニタリングシステム「フィールドサーバ」では、スマートフォンやタブレットで簡単に作物の状況をチェックできます。

例えば、CO2や土壌の温度・水分量をモニタして安定した作物の栽培環境を維持するのに役立ちます。

また、病害虫の発生しやすい時期や環境を予測し、発生のリスクが高まっている時に作業者のスマホへプッシュ通知で警告も行えます。遠隔地にいてもスマホやタブレットで簡単に作物の状態が把握できるのが大きなメリットです。

スマホで農業日誌を簡単に作成

Agrionを利用して農業日誌
クラウド型農業支援サービス「Agrion」では、スマホで簡単に農業日誌がつけられます。例えば、誰がどの畑で施肥を行ったかをスマホで入力すると作業者全員に情報が共有されます。

スマホ上では農地の地図と併せて作業者の日誌が表示されるので、一目見ただけで農地の作業状況が把握できます。作業内容や要した時間は全てグラフ化されるため、今後の作業計画を立てる際に活用できますよね。

果実の収穫期や収量を見える化

Agri House Managerで見える化
ハウス管理サービス「Agri House Manager」は、果実の収穫期の予測や収量を見える化できるサービスです。ハウス内をロボットが走行し、作物の状態を撮影します。そしてクラウドに送信された映像データを解析し、実の色味や形から熟しているかどうかを判別する仕組みです。

例えばハウス栽培されているトマトやイチゴなどを撮影して、実の赤みや大きさの状態から収穫できる収量を予想します。作業者は従来のようにハウス内を全て目視確認する必要はなく、結果を確認にして気になる箇所だけチェックすれば良いので、作業効率が高まります。

IoTを活用して農業を省力化・効率化しよう

農業を省力化・効率化

農業でIoTを活用する大きなメリットは、作業者の業務負荷が軽減できることです。今までは真夏や真冬、悪天候の際にも作業者は農地を見回り、農地や作物の生育状況を確認しなければなりませんでした。

しかし、IoTやAI、そしてドローンなどの最新テクノロジーを取り入れると作業者は室内にいながらでも農地の状況が確認できます。

それにより、重労働が困難な高齢の作業者でも農作業が行いやすくなり、農業の「きつい、大変」というイメージが変わることで、農業に挑戦しようという若者も増えるでしょう。農業のIoTは、「農業」という仕事を従来よりもずっと楽しくて魅力的なものへと変えるに違いありません。