あなたはお家のセキュリティを高めるために、なにか防犯対策をしているでしょうか。
「もちろん心配だけれども、具体的になにか対策をしているわけじゃない。」
「わざわざ、月額費用の高いセキュリティサービスへは加入する気にはなれない。」
こんな方が、たくさんいらっしゃるかと思います。
実は、そんな敷居が高くて手を出しにくいイメージのある防犯対策を、スマートホームで安価に実現できるとしたらどうでしょう?
少し試してみたくはなりませんか?
そんなわけで本記事では、防犯対策と普段使いの両面でメリットのあるスマートホームのソリューションについて解説していきます。
目次
空き巣の侵入手段は無施錠と窓破り
スマートホーム化による具体的な防犯対策の説明に入る前に、まずは敵である空き巣の手口を知っておきましょう。
以下のグラフは、平成30年における空き巣犯の侵入手段を警察庁がまとめたものです。
グラフからわかるように、侵入手段として最も多いのが「無締り」、つまりはカギの掛け忘れによる無施錠が全体のおよそ半数を占めています。
空き巣犯が侵入するときのイメージとして、玄関のカギを針金でピッキングしているシーンを思い浮かべがちですが、それは全体の2.4%しかありません。
そして、侵入手段として「無締り」に次いで2番目に多いのが、「ガラス破り」です。
窓ガラスのカギ部分の窓を、手を入れられるくらいのサイズで割ってカギを回して、窓を開けて侵入するというパターンが多いのでしょう。
上記のような情報と以下のグラフからもわかるように、住居への侵入はほとんどが窓と玄関ということになります。
この2箇所のセキュリティ、つまりは玄関と窓のカギのかけ忘れや窓のガラス破りによる侵入を防げれば、空き巣の防犯対策は十分と言えるでしょう。
スマートホームによってこのポイントを抑えられるソリューションは、次の3つが挙げられます。
- 玄関はスマートロックで防犯
- 窓からの侵入はIoTホームセキュリティで対応
- 室内への侵入はネットワークカメラで監視
それぞれの方法でどのように防犯対策ができるのか、具体的な内容を1つずつ見ていきましょう。
玄関はスマートロックで防犯
侵入経路として窓についで約20%と多い玄関を防犯する手段としては、スマートロックの利用が有効でしょう。
玄関をスマートロックにすると、どのように防犯対策ができるのでしょうか。
スマートロックなら玄関の無施錠がなくなる
スマートロックとは、玄関ドアのカギ穴(シリンダー)を上から覆う形で設置して、玄関ドアのカギをスマート化してくれるIoTガジェットです。
スマートロックを設置してできるようになるのは、玄関ドアのカギの施錠状態をスマートフォンのアプリで確認できること、そして遠隔で操作できることです。
つまり、スマートロックがあれば玄関ドアのカギの閉め忘れを確認することができます。さらに、その無施錠状態のカギを、スマホアプリで操作して閉めることもできるんです。
これで、空き巣の侵入手段である玄関の無施錠を防ぐことができるでしょう。
また、スマートロックの機種によっては、オートロック機能がついているものもありますので、より安心ですね。
スマートロックの設置タイプとしては、鍵穴を上から覆って接着するタイプが主流で、設置は誰にでも非常に簡単な設計です。玄関ドアの形状が合えば、今の玄関ドアはそのままにスマートロックを設置できてしまいます。
また、価格的にも2万円~5万円ほどでAmazonなどのインターネットサイトから購入が可能です。
Qrio Lock (キュリオロック) スマホで自宅カギを解施錠できるスマートロック Q-SL2
このように、スマートロックは設置面でも費用面でも、手軽にスマートホーム化して防犯対策ができる頼もしいアイテムといえるでしょう。
IFTTT連携でスマートロックはより便利に
スマートロックのカギの施錠・解錠は、毎回スマホアプリだと普段使いするのに不便に感じてしまいます。そのためスマホアプリ以外にも、ICカードやスマホのタッチキー、テンキー入力なども用意されているのが普通です。
とはいえ、スマートロックにして玄関の鍵を持ち歩かなくて良くなるのはとても嬉しいのですが、1つだけ不便なシーンがあります。
それは、両手に荷物を抱えているときや雨で濡れた傘を持っているときです。こんなシチュエーションで、カギを出して開けるのにイライラした経験は誰もが1度はあるでしょう。もちろん、スマホやICカードを出すのも面倒ですよね。
そんなときは、IFTTTというサービスを利用してみましょう。
IFTTTとは、何かを”きっかけ”にして何かの”動作”を自動で起こす、という仕組みを自分で設定できるサービスです。きっかけと動作のいずれも、IFTTTに連携しているサービスであれば自分で好きに設定可能です。
スマートロックとIFTTTを連携すれば、スマホのGPS情報を”きっかけ”にしてスマートロックのカギを解錠する、という”動作”を設定ことができます。
つまりこのように設定すると、家に近づいたら自動的にスマートロックのカギが開くようになるんです。
こうなれば、玄関前でカギを開けるためにもたもたせずに、すぐに家の中に入れるようになるというわけです。
窓からの侵入はIoTホームセキュリティで対応
約58%もの空き巣犯が侵入経路として使う窓は、IoTホームセキュリティで防犯対策の対応をするのが適切な策です。
IoTホームセキュリティは、侵入の予防対策だけでなく侵入者の検知もできます。
IoTホームセキュリティで窓の閉め忘れと侵入者の検知が可能
IoTホームセキュリティとは、開閉センサーや人感センサーなどのセンサーを利用して、スマホアプリで家の防犯状態を確認・異常をお知らせしてくれるサービスのことをいいます。
開閉センサーは、2個1セットのセンサー両方に仕込まれている「磁石の接地の有無」によって窓の開閉を検知します。また、人感センサーはいわずもがな、赤外線などを利用して人の所在や通過を検知するセンサーです。
窓に開閉センサーを取り付ければ、開閉状態をスマホアプリで確認できるようになります。
また、人感センサーを取り付ければ、人の侵入を検知できるでしょう。
このほか、開閉センサーの代わりに振動センサーを用いるものや、大音量で警告音を出せるブザーも用意されているサービスもあります。
では、IoTホームセキュリティが防犯対策に有効な点は、具体的にどのような点にあるのでしょうか。
まずは、窓の開閉状態を一斉に確認できるため、窓の閉め忘れがないかスマホアプリで家中の戸締まりをひと目で確認ができる点が挙げられるでしょう。
そして、外出中にも関わらず閉まっていた窓が開いたことを検知すると、即座にスマホアプリに通知もしてくれるのも役立ちます。
このように、窓の無施錠を未然に防ぎ、さらに不審者の侵入を検知することができます。つまり、空き巣が窓から侵入する手段の第1位と第2位になっている、無施錠とガラス破りのいずれにも対応ができるのです。
このIoTホームセキュリティの価格体系は、初期費用と月額費用のかかるサブスクモデルがほとんどです。とはいえ初期費用は1万円~数万円程度、月額費用も1,000円前後と従来のホームセキュリティシステムに比べれば、導入費用は非常に安価でしょう。
また、初期費用のかからないプランや、盗難補償として見舞金を支払うサポートなどを用意しているメーカーもあり、お試し気分で導入を検討しやすくなっています。
設置に関しても、センサー類はバッテリー搭載で両面テープの貼り付けだけで済みますし、設定もスマホアプリの指示通り進めば問題なく完了です。専門知識のある業者に頼まずに、女性1人でも利用できるように工夫されています。
駆けつけ等のサービスがない場合もありますが、簡易的に家のセキュリティを向上したいのにはうってつけのサービスでしょう。
離れて暮らす両親もIoTホームセキュリティがあれば安心
IoTホームセキュリティは、防犯対策だけでなく、離れて暮らす高齢のご両親を見守る目的にも使える優秀なシステムです。
開閉センサーは窓やドアの開け閉めを、そして人感センサーで人の動きを把握できます。
この「開閉センサー」と「人感センサー」の2つを組み合わせる事で元気な生活を送れているかどうかを毎日簡単に確認することが可能です。例えば開閉センサーで「トイレや冷蔵庫のドアの開け閉め」を、そして人感センサーで「寝室やリビングでの動き」を履歴として残す事も出来ます。
もしも、トイレや冷蔵庫を使った気配、寝室から出た様子がないという状況なら、何かトラブルがあった可能性にいち早く気づけるでしょう。
室内への侵入をネットワークカメラで監視
ネットワークカメラも、防犯対策として利用できるソリューションの1つです。
侵入自体を防ぐことはできませんが、侵入された後の対応で非常に活躍を期待できます。
その活躍シーンを、具体的に見ていくことにしましょう。
ネットワークカメラなら侵入者の撮影・警告が可能
ネットワークカメラとは、インターネットと接続することで撮影した映像をリアルタイムにパソコンやスマホなどの端末から確認できるカメラのことをいいます。
ネットワークカメラのことを、IPカメラと呼ぶこともあります。インターネットで映像が見られる防犯カメラと思えば、イメージしやすいですかね。
ネットワークカメラを設置すれば、いつでも手元のスマホで自宅のライブ映像を確認することができます。そのため、仮に空き巣犯が留守の自宅に侵入したとしても、スマホでその様子を確認して警察へ通報する、といった対応が取れるようになって安心です。
また、人感センサーを搭載しているネットワークカメラであれば、人の侵入を検知してスマホに通知を送ったり、そのときの静止画や映像を自動保存してくれるものもあります。
そのほか、通話のためにマイク機能を搭載しているモデルもあるので、侵入者にマイクで警告を促すことも可能です。
ネットワークカメラの価格ですが、室内での利用を想定していることもあって意外とリーズナブルです。
防犯カメラと聞くとかなり高額なイメージがありますが、ネットワークカメラは安価なものであれば5,000円から、高いものでも2,3万円程度あれば高性能なものがAmazonなどで購入できます。
メーカーや機種によって機能がかなり違いがありますので、価格だけでネットワークカメラを選ぶのは控えましょう。特に、ネットワークカメラは夜間やカーテンを閉めた部屋での使用も想定されるので、暗視カメラ機能はあったほうが良いです。
また、カメラ画角が広いものや首振り機能がついているものもありますので、機能面は吟味しておく必要があります。設置に関しては、両面テープや簡単なビス止めで済むものも多く、設置自体は難しくありません。
ただ、電源とインターネット回線との接続のために配線ケーブルが必要なので、設置場所は工夫する必要があります。WiFi対応モデルを選べば、配線が少なくてスッキリ収まります。
ネットワークカメラは侵入を未然に防ぐことはできないので、ホームセンター等で防犯カメラ作動中のシールを購入して、外から見える場所に貼り付けておくのも防犯対策として有効でしょう。
Lefun ネットワークカメラ 【400万画素 2019最新バージョンアップ】 ペット監視子供見守り老人介護カメラ 屋内防犯IPカメラ ベビーモニター WiFiワイヤレスカメラ 留守番 自動フォロー 顔検知 高解像度 遠隔操作 動体検知 警報通知 双方向音声 暗視機能 録画可能 日本語アプリ 技適&PSE認証済み ホワイト
ネットワークカメラは赤ちゃんやペットの遠隔チェックにも使える
ネットワークカメラは、防犯対策以外にも赤ちゃんやペットの見守りカメラとしても利用ができます。
たとえば、リビングで調理中に寝室の赤ちゃんを、外出中にペットの見守りをネットワークカメラで遠隔チェックが可能です。見守りの機能も併せて利用する場合は、音声も拾えるモデルを購入することをオススメします。
スマートホームは手軽な防犯対策に最適!
家の防犯対策は、一昔前までは高額なホームセキュリティサービスへの加入が必要でした。
しかしながら、今ならテクノロジーを利用したスマートホームのソリューションがいくつもあります。防犯対策に向いたスマートホームのソリューションとしては、スマートロック、IoTセキュリティサービス、ネットワークカメラの3つです。
それぞれ防犯へのアプローチの仕方は異なりますが、数千円〜数万円程度と手頃な価格で購入でき、設置も両面テープなどで簡単にできます。
さらに、どのソリューションも防犯対策以外の用途もあって、導入メリットは幅広いです。費用面で防犯対策を見送っている方がいれば、ぜひ一度スマートホームのソリューションを検討してみてはいかがでしょうか。