教室も百葉箱もインターネットに繋がる!学校へのIoT活用事例をご紹介

学校へのIoT活用事例 教育

小学校や通信制の学校など教育現場でもIoTの活用が広がっています。IoTを学校へ導入すると一体どのような効果があるのでしょうか。

この記事では、現在学校で活用されている「遠隔授業」「IoT百葉箱」「いじめや悩み相談プラットフォーム」「タブレットを活用したツール」の4つの事例をご紹介します。

IoTの活用で最も期待されている遠隔授業

遠隔授業
学校や塾など教育現場においてIoTが活用されると、離れた場所にいる生徒または教師による遠隔授業が可能になります。

遠隔授業とはWeb会議のように、双方にカメラを取り付けてお互いの映像を見ながら対話する授業方式です。

遠くの地域の学校同士を繋ぎ合同授業を行うことで多様な意見を取り入れたり、離れた場所にいる専門家に高度な授業をしてもらったりと、IoTの活用によって授業の質が高める効果が期待できます。

また、通信制高校や通信制大学では従来からWeb授業も行われていますが、その多くは予め録画された授業を生徒が視聴するといったスタイルでした。

しかし現在では、インターネットの高速化・低遅延化によって、リアルタイムな遠隔授業も増加しています。

従来の録画された授業は一方向でしたが、リアルタイムの遠隔授業は双方向でやり取りできるため、生徒は疑問点を質問しやすくなり、より充実した授業を受けられるようになります。

画像とグラフで天気を確認・遠隔地の天気もチェックできる「IoT百葉箱」

IoT百葉箱

どこの小学校にも設置してある「百葉箱」にもIoTが活用されています。

株式会社内田洋行とインテル株式会社の共同プロジェクトとして制作された「IoT百葉箱」を活用すると、日本全国の気象データを集められます。

日本全国の学校や地域に設置したIoT百葉箱は気温や湿度などの気象データの他、カメラ画像も取得してオンライン上に集められます。

オンライン上のデータはパソコンからアクセスしてチェックできる仕組みです。例えば、九州地方で暮らす小学生が東北地方の気温や湿度は自分の地域とどれくらい違うかを調べられます。

また、百葉箱に設置したカメラが空の映像も撮影しているので、晴れの日や雨の日、さらに台風が来たら空の様子はどのように変わるのかを画像で確認できます。

「IoT百葉箱」によって、従来は百葉箱からのグラフデータのみで理科の学習を行っていた小学生が、空の画像とカラーのグラフを照らし合わせて学習できるようになるため、より天気に関する理解が深まるでしょう。

学生がいじめや悩みを相談できるプラットフォーム「STOPit」

いじめや悩みを相談できるプラットフォーム
IoTは、子供たちのいじめ・自殺防止にも役立ちます。アメリカで開発された「STOPit」というサービスは、学生や先生が匿名でいじめ等の問題を相談できるプラットフォームです。

「STOPit」はパソコン版とスマートフォン版があり、匿名で寄せられた相談に対して「STOPit」を導入している教育委員会などが対応する仕組みです。

学生たちは「STOPit」を通して文章による相談はもちろん、いじめの証拠となる写真や動画も添付できます。

現在は、千葉県柏市が千葉県柏市を導入しており、相談した学生に対しては慎重に「学校へ報告しても良いか」と確認してから対策をとっています。

いじめや他の悩み等で、誰にも相談できずに悩んでいる学生たちが多い中、「STOPit」が学生たちの助けとなるツールであることは間違いありません。

先生の業務負荷軽減・生徒の学習効率向上に役立つ「Classi」

先生の業務負荷軽減・生徒の学習効率向上に役立つ
IoTを活用すると先生の業務負荷も大きく軽減されます。「Classi」はタブレットを活用したツールで、生徒・先生間のコミュニケーションや動画や学習コンテンツの追加により生徒の学習効率化に役立ちます。

近年は、学校の先生の業務負荷低減が課題となっていますが、「Classi」を使用すると先生の業務も効率化できます。

例えば、従来であれば小テストも紙で行い、先生が採点しなければなりませんでしたが、「Classi」ではWebテストが実施できるため、生徒が回答した後は自動採点によって理解度を簡単に把握できます。

気にかかる生徒がいれば「Classi」で生徒の成績や学習状況をチェックし、問題があれば先生同士で情報を共有できます。

また、生徒の中には授業で分からない部分があっても先生に中々質問できない子もいるでしょう。「Classi」では授業で用いた資料を保存しておけるので、生徒は授業内容を振り返りながら分からない部分を教科別グループに質問できます。

学校へのIoT導入で生徒も先生も助かる!

IoT導入で生徒も先生も助かる
遠く離れた学校同士がインターネットを介して繋がると、多様な意見を出し合える遠隔授業が行えたり、地域による天気や気温の違いを画像やグラフで簡単に確認できたりと、授業がより楽しくなります。

そして、悩み事やいじめに関する相談もスマートフォンから気軽にできれば早急に対策を講じられます。また、タブレットを活用して授業で使用する資料の配布や小テストを行えば、生徒の学習効率向上や先生の業務負荷低減に役立ちます。

日本の学校では、まだIoTの普及が進んでいるとはいえませんが、今後IoTが広まり授業の質が向上することは明らかでしょう。