ペットの人気は衰えることなく、最近ではペットを対象とした保険やさまざまなペット用品も数多く販売されています。ペットを飼うということは動物の命を預かることでもあり、飼い主にとってはさまざまな責任が伴うもの。単に「かわいいから」「一人暮らしで寂しいから」という理由だけで判断するのではなく、一生ペットの面倒を見る覚悟も問われます。
ペットを飼育する飼い主にはさまざまな悩みを抱えるケースが多いですが、そのような悩みを少しでも解消しようとIoTに対応したペット用品が続々と販売されています。
今回の記事では、そんなIoTに対応したペット用品の事例をいくつかご紹介します。
目次
ペットを飼育するうえで多い悩み
まずはペットを飼育している飼い主がどのような悩みを抱えているのか、そしてIoT対応のペット用品はどのような悩みを解決してくれるのかについて見ていきましょう。
健康管理
ペットといっても犬や猫、その他さまざまな動物が存在しますが、いずれも人間とは異なり自分自身で意思表示をすることが難しい生き物です。たとえばお腹が痛い、足や手が痛いなど、言葉で表現することが難しいからこそ飼い主は常にペットの様子を気にかけなければなりません。
動物によっては外敵に自分自身の異変を知られてしまうと襲われやすくなるため、あえて異変を隠し平常を装うケースも多く、飼い主が気付いたときにはすでに病状が進行していることもあります。
給餌・給水忘れ
仕事が忙しい日が続くと、ペットの面倒を見てあげる時間がなかなか取れずに、毎日決まった時間に給餌や給水をしてあげることが難しいこともあります。長時間食事や水をとらずにいると、栄養が足りずに衰弱させてしまったり、熱中症などにかかるリスクも考えられます。
また、一人暮らしの世帯だけではなく、家族と同居している世帯であっても「誰かがご飯や水を与えているだろう」と思い込んでいるケースも少なくありません。このような事態を引き起こさないためにも、できるだけ給餌や給水の時間は守り、規則正しい生活リズムを維持することが求められます。
不在時のトラブル
猫や室内で飼う小型犬の場合、ケージに入れることなく部屋のなかで放し飼いにするケースも多いと思います。一人暮らしで日中部屋を不在にしていると、部屋のなかにあるものを散らかしたり、口に入れてはいけないものを食べようとするトラブルが起こりがちです。
長年ペットと同居し、ペットの性格や特性を知り尽くした人であれば十分な対策をとることができますが、ペットを飼い始めたばかりの人にとっては気になって外出が不安になるのではないでしょうか。また、万が一空き巣などの被害にあったとき、ペットに危害が加えられないかといった不安を感じる人も多いはずです。
空調の管理
ペットの健康管理上のトラブルで多いのが空調管理に関するものです。外出する際に誤って空調を切って出かけてしまったり、就寝前にペットがいる部屋の空調を切ったまま出てしまうなど、特にペットを飼い始めたばかりの人にとって起こりやすいトラブルです。また、外出する時点では涼しいと感じていたため空調を切ったのに、その後日中にかけて急激に気温が上昇し室内が蒸し風呂状態になっていたというケースも想定されます。
室内で飼うペットの多くは急激な温度変化に対応できないことも多く、最悪の場合熱中症などにかかって重篤な状態に陥るケースもあります。私たち人間と同様、空調管理はペットにとっても重要なポイントでもあるのです。
飼い主の悩みを解決するIoT対応のペット用品
飼い主にとってペット飼育するということはさまざまな悩みが想定されることが分かりましたが、これらの悩みを解消するためにおすすめなのがIoT対応のペット用品です。先ほど紹介した飼い主の悩みに対応するペット用品をいくつか紹介しましょう。
健康管理に役立つIoTペット用品
ペットの健康管理の方法として、排泄物を観察する方法があります。排泄物の量や色などは、ペットの体調に異常がないかを判断するための重要な要素といえます。しかし、トイレだけを見ても正確に排泄物の量や回数を把握することは難しく、特に日中不在にすることの多い一人暮らしの飼い主にとっては簡単なことではありません。
そこで役に立つのが猫用の健康管理グッズとして開発されたシステムトイレ型の「ペットケアモニター」です。見た目は普通の猫用トイレですが、排泄物の量や回数、トイレの滞在時間、さらには体重チェックも同時にできる機能が搭載されています。取得したデータは自動的にスマートフォンに送信することもでき、いつでもすぐにペットの健康状態を把握できます。
出典:SHARP
給餌・給水忘れに役立つIoTペット用品
毎日決まった時間に決まった量のご飯を与えることができる給餌器はさまざまなメーカーで販売されています。中にはスマートフォンやAIスピーカーと連動して自動的に給餌する機能もあり、必要に応じてご飯の量も都度調整できます。
3L、4Lという大容量のご飯を一度の保管できるほか、残量が不足してきたら本体やスマートフォン経由で知らせてくれる機能も搭載されているため安心です。毎日決まった時間に給餌する機能以外にも、スマートフォンから個別にスケジュールを調整できる機能も搭載されています。
出典:amazon
不在時のトラブルを未然に防ぐIoTペット用品
IoT対応のペット用品と聞くと真っ先にネットワークカメラをイメージする人も多いと思いますが、その多くは子育てや監視カメラなど複数の用途を想定しているため、ペットの飼い主にとって欲しい機能が搭載されていないことも多いです。しかし、中にはペット用品としての機能に特化したネットワークカメラも存在し、たとえばスピーカーが搭載されていてスマートフォン経由で音声を届けることができたり、ペットにおやつを与えたりできる機種もあります。
ペットの様子を録画できたり、複数のユーザーと共有できたりする機能もあるほか、ペットが動いたり異常を検知したときに通知してくれる機能も搭載されています。万が一空き巣が入ったときなども、音声によって警告したうえで録画することもできるため防犯上のメリットも大きいといえるでしょう。
出典:amazon
空調管理に役立つIoTペット用品
エアコンを外出先からでも操作できるIoT家電は一般的になりつつあります。たとえば外出先でエアコン設定の入れ忘れに気付いたとしても、スマートフォンのアプリから遠隔で空調を入れることもできるため安心です。
また、現在自宅のエアコンがIoTに対応していなくても、赤外線リモコンを採用している家電であれば遠隔で管理できるスマートリモコンもあり、わざわざエアコンそのものを買い換える必要もありません。
これらはペット用品というジャンルに特化したものではありませんが、幅広くさまざまなシーンで活躍してくれるはずです。
出典:amazon
テクノロジーの進化とともに利便性が向上したペット用品
IoTに対応したペット用品はまだまだごく一部であり、今後もさらに多くの商品が開発され世の中に登場してくると予想されます。IoTをはじめとしたテクノロジーは私たちの生活を豊かにし、ライフスタイルを大きく変革していますが、今や家族の一員ともいえるペットにとっても欠かせないものになっていくことでしょう。