「家族が心身ともに健康でトラブルもなく安全に暮らせるように」と考えるのは、人なら誰もしもそう思うものでしょう。とはいえ、いつまでも家族全員で一緒に暮らすというのは難しいというのも事実です。
就職や結婚など機に実家を離れて、ご両親とは別の生活をするのが今となっては普通になっています。離れて暮らすご両親がいると、もしも何かがあったときには対処できるよう異変にはいち早く気づきたいものですよね。
そんな方に適したスマートホームサービスとして、TEPCO社の提供する「遠くても安心プラン」があります。
1人暮らし向けの高齢者に向けとして展開されているサービスですが、実際に高齢者の方が利用するのに最適なサービスとなっているのでしょうか。
そこで本記事では、「遠くても安心プラン」のサービス概要と導入することによってどのようなメリットがあるのかについて詳しく解説していきます。
目次
離れて暮らす家族を見守る「遠くても安心プラン」とは
まずは、「遠くても安心プラン」の具体的なサービス内容を詳しく解説します。
サービスの価格感を把握するために、料金プランについても合わせて確認していきましょう。
いつもの家電製品が暮らしを見守る
画像引用元:TEPCO
サービスサイトで詳細を見る⇒家族を電気の使用状況で見守る【遠くても安心プラン】
「遠くても安心プラン」は、離れて暮らすご家族の様子を家電製品の使用状況から見守ることができるスマートホームサービスです。
この「遠くても安心プラン」が優れているポイントは、見守られる側も見守る側も今までどおりの生活のままで導入できるところでしょう。
「遠くても安心プラン」は、住宅の分電盤にセンサーを1つ取り付けるだけで、家電製品の使用状況を把握して、見守る側のスマホへお知らせしてくれるようになります。
つまり、見守られる側のご家族のプライバシーへ配慮したうえ、生活に負担のない形で見守りができるようになるのです。
「遠くても安心プラン」の具体的な仕組みは、取り付けたセンサーで計測した電流値をAIで解析することで、何の家電製品をいつからどのくらいの時間使っていたかを判別できるようになります。
日常生活で家電製品を使用しない日はありませんので、見守る側はアプリに通知されたその使用状況で、生活の様子を好きなときに把握できて安心です。
実は高齢者の方の見守りで悩みを持っている方は、日本で少なくありません。
65歳以上の方の一人暮らしならびに夫婦のみの世帯数は、いずれも年々増加の一途をたどっています。内閣府が公表している高齢者白書によると、2000年と比べて2017年の夫婦のみの世帯数は約1.8倍、ひとり暮らし世帯にいたっては2倍以上に増加しています。
今後、高齢者世帯は増えていく予想もありますので、何か起きる前にあらかじめ導入の検討を進めておくと良いでしょう。
3種類の選べる料金プラン
「遠くても安心プラン」の料金プランは、買取コース2種類、レンタルコース1種類の計3種類が用意されています。
TEPCO社は東京電力エナジーパートナー社という東京電力の子会社ですが、「遠くても安心プラン」はどの電力会社と契約していても利用できるサービスです。
料金プランの詳細をまとめると、次の表のようになります。
料金プラン | 買取コース | レンタルコース | |
---|---|---|---|
買取Aコース (バランス型) |
買取Bコース (長期でお得型) |
||
初期費用 | 32,500円 | 59,800円 | 3,000円 |
月額費用 | 1,980円 | 980円 | 2,980円 |
解約費用 | 0円 | 0円 | 手数料9,500円 +設置作業料の残額 |
最低利用期間 | なし | なし | 2年間 |
上記の料金は、全て税抜です。
買取コースにすると初期費用が高くなりますが、解約費用がかからず月額費用も安いため、長期的な利用に向いているでしょう。
一方でレンタルコースは、解約費用がかかり月々の負担が増えるものの初期費用を抑えられるので、手軽に始められるプランとなっています。とはいえ、レンタルコースでは2年間の最低利用期間が設定されており、解約時の費用は合計2万円以上(解約費用9,500円+設置作業料の残額+エネルギーセンサーの撤去費用10,500円)かかることを考えると、買取コースにしておいたほうがお得です。
エネルギーセンサーの撤去は、買取コースの場合には希望者のみ撤去費用10,500円を支払うことで撤去してもらえます。
いずれにせよ、初期費用と月額費用の負担額や見守るご家族の年齢から、ご自分に合った料金プランを選択しましょう。また東京都葛飾区/足立区や兵庫県加東市では、初期費用の一部が助成されますのでもしお住まいであればぜひ活用したいものです。
また、申込後に料金プランを変更することはできないため、その点には注意しておきましょう。
画像引用元:TEPCO
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かゆいところに手が届く安心なメリット
「離れても安心プラン」は、見守りに特化したスマートホームサービスというだけあって、かゆいところに手が届くような設計になっています。
次に挙げる4つのメリットは、サービスの安心感につながっています。
- 異常を察知してメール通知
- 訪問確認を依頼できる
- スマートスピーカーにも連携
- 家電製品の利用状況をスマホで確認
異常を察知してメール通知
画像引用元:TEPCO
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家電製品の利用状況と生活環境を組合わせて見守りをしてくれるので、異常と見受けられる場合には、見守る側に確認を促すメールが通知されるようになっています。
たとえば、気温が高い日であるにもかかわらず日中にエアコンを利用していなければ、熱中症の危険性を通知されます。
また、深夜の時間帯にテレビが長時間使用されていると、通知されるのは生活リズムの崩れです。普段からそのような連絡を逐一するのは、現実的ではありませんしお互いに負担となってしまいます。
「離れても安心プラン」なら、自動かつ異常のタイミングのみ通知してくれるので、双方の負担がありません。
訪問確認を依頼できる
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上記の異常メール通知やスマホで家電製品の使用状況を確認し、ご家族に電話やメールをしたものの連絡がつかず、どうしても現地で直接確認したい場合も出てくるかもしれません。
そういったときでも、「離れても安心プラン」に契約していれば、年2回まで無料で訪問確認サービスを利用できます。
電話を一本するだけで、専用スタッフが訪問して確認してくれるので安心です。
ただし、訪問確認サービスではあくまで在宅の有無を確認するだけで、介助等を行うことはできません。
また、3回目以降は1回の訪問で13,000円(税抜)の費用が発生します。
スマートスピーカーにも連携
画像引用元:TEPCO
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「離れても安心プラン」は、Google HomeやAmazon Echoといったスマートスピーカーとも連携しています。
そのため、キッチンでの調理中などスマホアプリで確認が難しい状況でも、スマートスピーカーに話しかけるだけで、見守るご家族の様子を確認することができるのです。
GoogleアシスタントもしくはAlexaなど音声アシスタントと連携しているので、スマートスピーカーを持っていなくても、上記音声足ステントを搭載したスマホでも音声確認ができます。
家電製品の利用状況をスマホで確認
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「離れても安心プラン」は専用スマホアプリがあるので、ご家族がどの家電製品をいつどのくらい使用したのかを、いつでもどこでも確認できます。
使用状況を確認できる家電製品は、エアコン、炊飯器、電子レンジ、ヒーター・ドライヤー・ケトルなどの高熱家電、掃除機、洗濯機、テレビ、IHクッキングヒーターです。
リアルタイムの様子から日次と週次のレポートも表示できるため、今現在のスポット的な状況だけでなく、ちょっとした生活の変化も把握できて便利でしょう。
また、家電製品の使用傾向を分析したコメントやトピックスのお知らせなど、スキマ時間などにサッとチェックできるようになっています。
高齢者宅ならではの気が利いた設置メリット
スマートホームサービスを高齢者宅に設置するのは、プライバシー以外の面でもさまざまなハードルがあります。
「離れても安心プラン」では、高齢者に特化したことで細かい部分にも気が利いており、設置のハードルを下げてくれています。
- 分電盤へセンサーを取り付けるだけ
- インターネット環境がなくてもOK
- カメラ不要でプライバシーを守る
分電盤へセンサーを取り付けるだけ
まずは、分電盤へエネルギーセンサーを取り付けるだけでサービスを利用できる点が、設置で優れているポイントの1つです。
一般的なスマートホームサービスだと、複数個のセンサーに加えてカメラや専用のハブ機器など、多くのデバイスを設置する必要があります。たった1つのセンサーでここまでの見守りができるのは、やはりAIのアルゴリズムが優れているからでしょう。
また、ペアリングや初期設定もセンサーの数が多いため非常に大変です。
「離れても安心プラン」は、専門業者が設置をしてくれるので安心感があります。
サービスの利用開始までの流れは、電話もしくはWebにて申し込みを行い、設置作業の日程調整をします。
設置作業完了後、5日後にアカウントが発行されますのでスマホアプリで初期設定を済ませておけば、その5日後から利用をスタートできるのです。
設置費用は、料金プランに含まれているので安心ですね。
インターネット環境がなくてもOK
「離れても安心プラン」の設置において、最も気が利いている特徴がインターネット環境がなくても利用OKという点です。
高齢者の方は、50代以下の世代と比べるとスマホやパソコンの利用率が低いため、自宅にインターネット環境がないことが多いでしょう。
しかしながら、「離れても安心プラン」を利用するためにはインターネット環境が必須となっています。
高齢者の方のスマホの利用率は、増えてきたとは言えどもまだまだの水準で、これだけのためにインターネット回線工事をしたり費用を支払うのは現実的ではありません。
そこで「離れても安心プラン」では、そのようなお宅でも導入しやすいように、通信環境をセットにできるスマートホーム接続オプションを用意しています。月額費用に+900円することで、このオプションサービスが利用できます。
ただ、初期費用として事務手数料3,000円、SIM発行手数料394円、LTEホームルーター13,980が別途必要です。
料金プランと接続オプションを合わせると、費用は次のような表のようにまとめられます。
料金プラン | 買取コース+接続オプション | レンタルコース | |
---|---|---|---|
買取Aコース (バランス型) |
買取Bコース (長期でお得型) |
||
初期費用 | 49,874円 | 77,174円 | 20,374円 |
月額費用 | 2,880円 | 1,880円 | 3,880円 |
解約費用 | 0円 | 0円 | 手数料9,500円 +設置作業料の残額 |
最低利用期間 | なし | なし | 2年間 |
サービスの申込時と同時にスマートホーム接続オプションを申し込まないと、設置設定を自分で行うか有償となってしまいますので、注意しておきましょう。
カメラ不要でプライバシーを守る
一般的な見守りサービスというと、部屋にカメラやセンサーをいくつか設置したり、見守られる側が専用のペンダントやアクセサリーを身につけたりするサービスが多いイメージがあります。
居住者の在不在や挙動を把握するためには、どうしてもそういった何かしらのデバイスが見守る側の近くに必要となるのです。
しかし、人によっては室内にカメラがあると監視されている視線を感じたり、身につけるのに手間がかかったりするため、サービスの導入を敬遠されることもあります。
やはり、普段の生活と違いが出てくると、見守られる側は身構えてしまいプライバシーが気になるものです。「離れても安心プラン」は、カメラは不要で電力の使用状況だけで在不在や暮らしの様子をチェックできます。
見守られる側としても心理的なハードルが低くなり、サービス導入へスムーズに進めるでしょう。
「離れても安心プラン」は気にならない・気にしない見守り
TEPCO社が提供する「離れても安心プラン」は、高齢者の見守りに特化したスマートホームサービスです。
対象者と目的を絞ったことで、サービス導入によって的確なメリットが得られるだけでなく、設置時の困りごとを上手く解消してくれる気の利いた工夫がいくつも組み込まれています。
見守られる側も見守る側も、いつもどおりの生活をしながらいつもと少し違う暮らしの変化に気づきを与えてくれます。
見守られる側は気にならない、見守る側は気にしないでも見守りができる、双方にとって負担が少なく利用しやすいスマートホームサービスといえるでしょう。